みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

本屋大賞2023勝手に大予想

いよいよ明日4月12日に本屋大賞が発表されます。

毎年本屋大賞のノミネート全作品を読んで、ランキング予想をしてますが、毎回書店員さんの過密スケジュールには驚かされます。1月20日にノミネート作品が発表され、2月28日までにすべてを読んで、順位をつけて評価を書く。たった40日間。しかも仕事をしながらですよ。頭が下がります。わたしは3月末ごろに読み終わり、レビューは4月入ってから。2か月と10日ほどかけて、のんびり...?いや、誰にも頼まれてないのに、意外にがんばってる笑

ということで発表前の前日に予想と個人的に好きなランキングを発表したいと思います。

まずは...

【好きなランキング】

1.『爆弾』 呉 勝浩 

今年のマイベストです。暫定です。いまだに思い出すと、ざわつきます。取調室での警察と謎の男・タゴサクとの心理戦が面白い。感想はコチラ⇒『爆弾』呉 勝浩

爆弾

爆弾

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2.『光のとこにいてね』 一穂 ミチ

感情移入しました。少女期から大人になるまでの結珠と果遠の個性、心情、成長を丁寧に描いています。ラストは賛否両論ですが、わたしは結珠の情熱に熱くなりました。感想はコチラ⇒『光のとこにいてね』一穂 ミチ

3.『ラブカは静かに弓を持つ』 安檀 美緒

著作権法を知ることができた。著作権を調べる側と音楽を使う側のそれぞれの視点が描かれていたので興味深く読めました。何より音楽の小説は美しくて、とても癒されます。ラストは爽やかで清々しい気持ちになれる。感想はコチラ⇒『ラブカは静かに弓を持つ』 安檀 美緒

4.『君のクイズ』 小川 哲

クイズの出題傾向、解答の導き方などプレーヤーの思考に驚き。問題が読まれていないのに正解するのは可能なのか?この謎解きも面白かった。感想はコチラ⇒『君のクイズ』小川 哲

君のクイズ

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5.『汝、星のごとく』 凪良 ゆう

今回のノミネート作品は歪な母親を持つ子供の苦悩が描かれる重い話が多かった。こちらは瀬戸内の島で育った少女・暁海と転校してきた少年・櫂の物語。惹かれあう二人の運命が。。切なさが瀬戸内海の情景を引き立てる。感想はコチラ⇒『汝、星のごとく』凪良 ゆう

6.『川のほとりに立つ者は』 寺地 はるな

物語としては地味な方かもしれない。でもとても大事なことをわかりやすく伝えていて素直に心に残った。相手の立場を考える。弱さを認める。コロナ禍で強く意識させられたことだと思う。感想はコチラ⇒『川のほとりに立つ者は』寺地 はるな

7.『月の立つ林で』 青山 美智子

過去の青山作品の方が断然良いなぁ。良すぎたのかなぁ。綺麗ではあったけど、あっさりしすぎて印象残らず。感想はコチラ⇒『月の立つ林で』 青山 美智子

8.『宙ごはん』町田 そのこ

強い母もいれば、弱い母もいる。人間だもの..とはいえ、強烈に歪んだ母親に疲弊を感じた。章を読み終えるたびに気力が奪われ、青山作品『月の立つ林で』を同時読み。心のサプリメント。その効果もややあり、すべてを読み終えたとき、母と子、無償の愛を考えさせられた。突き刺さるものは多かったけど、疲れてしまってこの順位。感想はコチラ⇒『宙がはん』 町田 そのこ

9.『方舟』夕木 春央

高評価な初読作家さんなので、とても楽しみな作品でした。しかし..退屈でした。決して面白くないわけではない。衝撃的なラストが用意されているのだろうという期待もないわけではない。しかし終始退屈な気持ちが続いてしまった。感想はコチラ⇒『方舟』夕木 春央

方舟

方舟

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10.『#真相をお話しします』

うーーーん。書店員さんのおすすめ?ノミネート作品ではなかったら、真相をわからずの人生を歩んでいたと思う笑。感想はコチラ⇒『# 真相をお話しします』結城 真一郎

 

さて、本屋大賞を勝手に予想します。

【予想ランキング】

1.『月の立つ林で』 青山 美智子

ポッドキャストというキーワード効果。ポッドキャストでゆるやかに繋がる人と人。おひとり様でいたいけど、誰かとも繋がりたい。そんな現代には心地よい物語。あと本屋さんがそろそろ青山さんに大賞を取ってほしいという気持ちがありそう(←これが一番の理由)

2.『光のとこにいてね』 一穂 ミチ

振り返ると秀逸な作品。人間をしっかり描き切る力はすごかった。離れていても一途に思う気持ち、感情を感じ取れた気がする。そして娘の中に宿る「母」...奥が深い。大賞を取ってほしい気持ちは一番高い。

3.『川のほとりに立つ者は』 寺地 はるな

強い人の生きにくさを感じた。強いからこそ相手に強さを求めてしまう。まさに今!問われる大切なことをわかりやすく伝えてるので...大賞を取る可能性はかなり高いと思う(毎年一緒に楽しく審査をしている読書友達の予想ではこの作品が本命です)

4.『ラブカは静かに弓を持つ』 安檀 美緒

「武器はチェロ。潜入先は音楽教室。」帯が一番かっこいい!心震える”スパイ×音楽”小説!スパイ小説はハラハラするし、音楽小説は美しい。おすすめしたくなる作品♪

5.『君のクイズ』小川 哲

クイズ番組はどの世代も好きだと思う。出題前に正解ができるのか?という最大のクイズの答えが気になるし、「クイズ小説」って面白そう!と手に取ったわたしです。こんな人はたくさんいると思う。

6.『宙ごはん』町田 そのこ

インパクトはかなり強い。不幸の詰め合わせに疲弊していく人(わたし)もいれば、不幸といえば町田!って安定の町田作品に安心感を抱いてる人もいると思うの。。だから上位の可能性は大です。疲弊してしまう人にはこの辺りでよいかと。

7.『汝、星のごとく』凪良 ゆう

島暮らしの女子と都会に染まっていく男子の遠距離恋愛。木綿のハンカチーフのような男女の波乱に満ちた悲恋...今回いくつか毒親小説がノミネートされましたが、その中でもこの作品は恋愛を絡めているので共感する世代には人気大な気がします(わたし、共感しない世代になってしまったのか..7位って)

8.『爆弾』呉 勝浩

一番好きな作品とはいえ、本屋大賞予想では8位枠(歴代8位を振り返ると..呉さんに申し訳ないです)

9.『方舟』夕木 春央

わたしには退屈に思えても世間では衝撃のラスト!と盛り上がる高評価。なぜ9位なの?と思われる方もいるでしょう。なぜ上位なの?と質問返しをしたいです。

10.『#真相をお話しします』 結城 真一郎

わたしには知りたい真相ではなくても世間では想像を超えるラスト!と盛り上がる高評価。なぜ10位なの?と思われる方もいるでしょう。なぜ1位なの?と1位予想をされてる方に強く問いたいです。

 

以上、勝手に審査してみました。読書の価値観は様々なので、異論はあるでしょうが、どうか温かい目で....。今回のノミネート作品は印象が薄い話が多い気がしましたが、振り返ってみるとそれぞれ個性があって、特に初めて読む作家さんの他作品も読んでみたいという気持ちは高まった。本も相性なので、酷評をしてしまう時もありますが、そういう本との出会いも楽しいんですよ。言いたい放題言えるから?ごめんさい。いよいよ明日!結果が楽しみですね。長々お付き合いありがとうございました。