みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『君のクイズ』 小川 哲

 

君のクイズ

君のクイズ

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おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。 読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 

【感想】

クイズ王の番組は観たことがないのだけど、小川哲さんの本には興味があるのでどんなクイズなのかな?と読んでみたら、クイズ王の実態に驚嘆しました。プレーヤーの思考がすごい。見える世界、その時の状況、人生全てがクイズの知識に。地球誕生から現在までめまぐるしく変化する世界。プレーヤーにとって、日々「知る」が更新され、クイズの回答も塗り替えられていく。なんて際限のない世界なんだろう。

プレーヤーたちの早押しが驚愕レベルで回答するまでの思考処理速度が尋常ではない。経験と研究の積み重ね...まさに努力の世界です。気になる真相は...読んでみてください。驚きと感心の連続でした。難解かと思ったら、とても読みやすくエンタメ本として面白いです。

クイズを解くには知識量を増やすだけでなく、問題の傾向を読み取り、解き方のコツを知ること。勉強にも似通ってる。試験勉強には試験勉強のクイズにはクイズの解き方がある。知識や用語、人の名前などを記憶するのが苦手なわたしですが、知識と経験との結びつきで記憶をしていくやり方が有効らしい。ちょっと勉強になりました。クイズ番組の見方が変わって、もっと楽しめるんじゃないかなぁ。