みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『月の立つ林で』 青山 美智子

 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく。

【感想】

ポッドキャストから流れる「ツキない話」。たった10分間という短い月に関する語りに心を安らげる人たちの連作短編集。どの話も優しくて心がじんわり温まる。前章に登場する人物が次の章では意外なところで小さく関わってくる。何気ない繋がりも楽しく、登場人物たちのその後が垣間見えたり..。月にまつわる話がよかった。「新月は実際に姿は見えないけど、絶対に存在してる」。。今日は新月ですよ。。それだけで新たな一歩を踏み出していこうって気持ちになれる。それぞれが抱える事情は違うけど、同じポッドキャストを聞いて、前向きになる。なんとなく誰かとの繋がりを感じられて、そういう一人ひとりが世の中を動かしている。太陽もすごいけど、月の力もすごい。

実は..町田そのこさんの『宙ごはん』で疲弊が募り(実生活の忙しさも重なり..町田さんのせいではない)、癒し系青山さんを同時に読んでました。町田さんのスパイスが効きすぎて、突き刺さり方は町田さんの方が上回りました...青山さんは綺麗すぎる..あっさり読み終えてしまった感はあります。大賞候補だと思って読んでみたけど、わたしは過去の青山作品の方が良いなぁ。

さて、ようやく本屋大賞ノミネート全作品を読み終えました。ギリギリ💦(←劣等生)全体的に印象が薄い。。インパクト大なのもありますが、すでに内容がぼんやりとしか浮かばない本があったり、、読んだ瞬間から忘れてしまう本もあったり、と..でも真剣に審査したいと思います。勝手にだけど笑