みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある世界。謎を解くべく宇宙へ飛び立った男は、ただ一人人類を救うミッションに挑む! 人類の希望は、遥か11.9光年の彼方...。

【感想】

物語は主人公グレースが真っ白い奇妙な部屋で目を覚ますところから始まります。全ての記憶を喪失し、体が機能せず、コンピュータの介護により、少しずつ回復していくグレースの横には2人の乗船者が死亡している。回復後、たった一人で宇宙にいることに気づくのです。自分の名前もわからず、自分は(乗船者たちは)何者なのか、ここは宇宙のどのあたりなのか、なぜ宇宙船の中にいるのか。この宇宙船の目的は一体なんなのか。グレースは徐々に記憶を取り戻していきます。太陽熱を食らう謎の物体・アストロファージの増殖により、地球は異常気象により食糧不足の末、飢饉で人類絶滅の未来に。。世界の優れた科学者が集結し...。(ちょっとネタバレ)....グレースは教師で子供たちに科学を教えています。教師の前は生物学で論文を発表する博士。ある事情で教師に転身したグレースが、なぜ地球絶滅の危機を救う任務についたのか...。そして絶滅危機を救えるのか!

宇宙にいる現在のグレースと乗船までの過去のグレースが交互に描かれています。グレースの記憶が徐々に取り戻されるので、少しずつ謎は解明されていくところが面白い(記憶喪失の真相も後々判明)

そして、俄然面白くなったのが、異星人との遭遇。孤独だったグレースに希望をもたらしてくれる強い仲間・ロッキー(グレース命名)。吸収するエネルギーや生命の環境は全く異なり、言葉も通じない蜘蛛型の異星人。二人は交信を重ね、熱い友情の絆で結ばれていく。お互いの危機を一緒に乗り越えていく。グレースの孤独を癒してくれる好奇心旺盛のロッキーがなんとも愛らしい🕷💕

生物学、天体学、エンジニア、実験内容など科学の分野はわからなかったけど、全く問題ありません。もちろん詳しい人はもっと楽しめると思います。遥か11.9光年の彼方で母星のために奮闘する地球人と異星人の火傷するほど熱い友情物語。楽しみました♪