みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

「ぐりとぐら」刊行60周年

青と赤のつなぎと帽子..双子の可愛い野ねずみ..といえば、ぐりぐらですよね。幼少時代に「ぐりとぐら」の絵本が大好きで、ワクワクしながら読んでました。ぐりとぐらの60周年記念ということで、千石ブックメルカード2023に児童書出版社の福音館書店が一箱古本市の会場を提供されました。千石の町内でいくつかの一箱古本市会場を巡り(各会場の様子はコチラ→「千石ブックメルカード2023に行ってきました」を参照してください)、最後にぐりとぐらに会いに行きました!

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建物に飾られたぐりとぐらの時計が可愛い〜💕ワクワク心躍る〜♪

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会場入り口で千石ブックメルカードのマップにスタンプを押しました。スタンプラリー、ほぼできなかったので、最後に押せてよかった。

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ポストカードをいただきました。どれも可愛い。クリスマスカードにメッセージを書いて、読書友達に本と一緒に送ろう🎄

出店者さんとの交流も楽しくさせていただきました。千早茜さんの『男ともだち』を購入。文庫本を持っているんだけど、単行本が欲しくなったもので。500円でゲットです♪

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ぐりとぐらの絵本の他にも、可愛い絵本がズラリ。絵本を見ると、童心に帰りますね。目がキラキラ輝いていたことでしょう。

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『ぐりとぐらのてづくりブック』を購入しました。ぐりとぐらのお料理レシピや折り紙で作るぐりとぐら、小さなぐりとぐらの人形キット、えほんのこばこが付いてます。その他にも、イベント特典が付いてた。うれしい。

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ポストカードとメモ帳

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すごろく

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ぐりとぐらのフライパン&カステラと一緒に写真が撮れます。ぐりとぐらの帽子を被って友達4人と撮りました!大はしゃぎです笑。

絵本の読み聞かせもあり、子どもたちの真剣な顔で聴き入る姿を見ると、ほっこりします。

 

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えほんのこばこ「もりのさんぽ」を作りました。可愛い🌳「ゆきのひ」は冬に作ります。お料理も、ちいさなぐりぐら人形も楽しみ♪

大人も子供も笑顔になる「ぐりとぐら」ずっと愛されていく絵本。名作です。

 

 

 

 

 

 

千石ブックメルカード2023に行ってきました!

10月9日に開催された千石ブックメルカード2023に行ってきました。あいにくの雨で、冷え込む東京。ガウンを羽織り、ストール持参で行きました。町を歩くと次第に体はポカポカになります。

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可愛いマップを見ながら、会場巡りスタート。

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会場内では出店者さんたちが色んなお話をしてくれました。本や雑貨、読書の話など、気さくにお話ができるのが一箱古本市の良さですね。そして出店者の皆様、対応が丁寧。素晴らしい!

撮影許可をいただけました。ありがとうございます。

C会場 風のやすみば

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企(クワダテ)さん。

アート、ファッション系の写真集がオシャレに飾られていました。

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D会場 石のやすみば

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電燈さん。可愛い小物を活かした素敵なレイアウトです。

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わたしも読書友達と一箱古本市出店への野望を..何年も前から抱きながらも、実行ならず。なので会場の雰囲気や出店者さんから情報を聞いたり、レイアウトを参考にしながら、楽しもうというのも、今回の目的でした。皆様からたくさんの情報を教えたいだけました!ありがとうございます。
都内では毎年各地で古本市が開催されているようなので、色々なイベントに行き、出店も実現できたらいいなと。。楽しみが増えた♪( ´▽`)

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『中島らもの明るい悩み相談室』を購入。らもさんに相談...らもさんの回答...めちゃくちゃ気になる!笑

 

I会場 福音館書店

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「ぐりとぐら」60周年ということで、今年は会場の提供をされたそうです。ぐりとぐらの世界は...↓つづく。

「ぐりとぐら」刊行60周年

『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました。』 中尾 篤典 毛内 拡

 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

私たちは自分の体のことをどのくらい知っているでしょうか?
ジェットコースターで結石を出す、うんちを移植してガンや認知症を治す、万引きや虐待の時に活性化する脳の部位がある…こうした研究は実際に存在するものです。
そして、最先端の研究分野ではこのほかにも身体や病気について次々と新しい事実が明らかになっています。またその研究結果の活用法は、病気の治療だけにとどまらず、人類をさらに快適で便利な世界へと誘う可能性も秘めています。
さあ、あなたも人体という謎を解き明かす知的体験の渦へと飛び込んでみませんか?

【感想】

ひきこもりが血液検査でわかるというコラムを読んで興味を沸き、この本を読んでみました。

怪我の死亡率や病気のなりやすさも血液型でわかる?赤い光を見ると視力が回復?鼻をほじると認知症になる?病と戦う免疫のメカニズム、脳を強化する手の秘密、脳とメンタルの関係、AIは人体をどう変えるのか?などなど、知的好奇心を高める内容でした。

脳のはたらきがすごい。身体に指令を送る脳。特に視覚からの情報は常時、膨大な量を処理しているため、リアルタイムで発信するのが困難なため、過去15秒間の情報を平均化した映像で現在の視覚を作り出しているそうです。現実は追っかけ再生だったのかぁと驚き。

朗報?紙読書とスマホ読書の読解力はどちらが上かという研究結果で、紙読書の方が高い。結果は予想通りだけど、研究内容が面白かった。脳の活動と呼吸パターンを測定。紙読書の方がため息が多く、脳の活動が少ないことが判明。ため息の間に脳細胞が休んでる。スマホの光で脳が活発。ため息も出ない。脳がバテバテで能力低下。。この本は電子書籍で読んでるので理解できてないかも笑。

これまた朗報?ダイエットも便移植で解決かも!?腸内細菌は身体に大きく影響するので、様々な研究が行われているようです。若いマウスから高齢マウスに便移植をしたら、認知機能と免疫力が大幅に改善という結果が。。太りやすい人に痩せた人の便移植をし、ダイエット成功など腸内治療に役立たせてるそうです。すごい。

基礎代謝は年齢を重ねても、それほど低下しない、代謝率は20代から50代は落ちないと判明したそうです。中年太りは代謝の低下が原因ではないということ。。この事実が残酷なのか、朗報なのか・・その人次第。

人体のメカニズムを理解するのは難しいけど、ユニークな研究内容が盛りだくさんで面白かったです。世界中の研究者の様々な研究が治療法だけにとどまらず、わたしたちの身近な暮らしを快適で便利にもしてくれるのですね。わたしは脳の働き方改革をしていきたいと思いました。おやすみは大事。

『神よ憐れみたまえ』 小池 真理子

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

昭和38年11月、三井三池炭鉱の爆発と国鉄の事故が同じ日に発生し、「魔の土曜日」と言われた夜、12歳の黒沢百々子は何者かに両親を惨殺された。
母ゆずりの美貌で、音楽家をめざしていたが、事件が行く手に重く立ちはだかる。
黒く歪んだ悪夢、移ろいゆく歳月のなかで運命の歯車が交錯し、動き出す……。

【感想】

序盤から犯人が想定され、徐々に動機や犯行も明らかにされていくので、当事者たちがいつ真相を知るのか、ジリジリハラハラさせられる内容でした。この物語は犯人の真相を描くサスペンスというより、美しさと聡明さを兼ね備えたが故に狂わされてしまう黒沢百々子の波乱万丈な人生が描かれた物語です。

百々子は恵まれた環境で育ち、両親からの愛情を受け、ピアニストとしての夢に向かう少女。しかし女性としての体の変化に戸惑い、美貌に悩まされ、好奇の対象とされ、生き辛さを感じる12歳の多感な時期に突如、何者かに両親を殺害される。世間では「血塗られた令嬢」と揶揄される百々子の傷を癒し、無償の愛で支える家政婦のたづさん。裕福な黒沢家の家庭とはまた違う庶民の温かい愛情に守られ、百々子は過酷な人生にもがきながらも、喪失と向き合い、凛とした女性に成長する美人は災難に遭いやすいと聞くが、こんなにも壮絶で残酷な人生を送るものか..容赦なく不幸な出来事が起きるし、身の毛もよだつし...困難の重ね技にズンと沈む。

著者ご自身が10年もの間、身近な人々の幾つもの死や病、深い喪失を通り過ぎていた中で「黒沢百々子」を創り上げられたそうです。ご自身の心情に重ねたところもあったのではないかと思われる百々子が人生を振り返る一節。

「私は自分が特別に不幸な運命を背負って生まれた人間だったとは思っていない。生きていれば誰にでも様々な災難や不幸が襲いかかる。生涯にわたって平凡で何も起こらない人生を送る人など、いるのだろうか。不幸だったかどうか、というのは、主観の問題に過ぎないような気がする。」

誰もが、百々子のように予期せぬ不幸は降りかかる。それをどう受け止め、どう乗り越えるか。強い気持ちは持ち続けたい。これからも巻き起こる困難に立ち向かいながらも日常の小さな幸せをかいつまみながら、たくましく生きていきたいと思わせてくれるラストでした。

『ある愛の寓話』 村山 由佳

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

原点回帰にして到達点。猫、犬、馬、人形など、異質な存在との交歓によって導かれるカタルシス、圧倒的な熱量をはらんだ作品集です。

【感想】

村山由佳さんのデビュー30周年記念作品。ぬいぐるみ、恋人の犬、捨てられた猫、美しい希少で高価なかご、自分が名付けた馬、過去の記憶。言葉が伝わらないものへの愛を描いた短編集です。

先日行われた千早茜さんの『マリエ』新刊発売記念トークイベントで、ゲストの村山さんに直接感想を伝えたいと気持ちがはやるものの、ご本人を目の前にすると胸がいっぱいで話すことなど到底できるわけがない。はい。できませんでした笑。この作品を読んでからイベントに行けて良かった。創作に至る経緯や執筆活動、完成の瞬間など、小説が出来上がるまでの興味深いお話をしていただけました。千早さんの本作の感想も聞けた。読書の楽しみ方と着目点がとても面白い。意外な発見もありで、その記憶を胸にわたしが印象に残った物語「同じ夢」(犬)、「グレイ・レディ」(かご)「乗る女」(馬)と、千早さんが一番良かったと仰っていた「訪れ」(過去の記憶)を再読。。何気ない言葉の中にある愛の領域をより感じ入ることができました。特に「グレイ・レディ」が好きで、他の物語と違って、人間以外のかごの視点で語られる夫婦の物語。気品あふれる高価なかごを大切に慈しむ持ち主との言葉なき愛が感動だった。

人ではない生き物や静物に対する情愛。。危険な雰囲気を醸し出しながらも無垢な愛情が強く存在してて、純愛と慈愛..時には官能的な愛が絡みあう美しい禁断な愛を感じました。もしや今後はタブーな領域に突き進むのでは...というドキッとする予感も孕んだ作品です。

デビュー30周年おめでとうございます。これからの作品も楽しみだなぁ。

千早茜さんと村山由佳さんのトークイベントの感想はコチラ↓本にサインをいただきました\(//∇//)\写真を掲載しています♪

千早茜さん×村山由佳さん「恋愛小説」の書き方講座

 

千早茜さん×村山由佳さん「恋愛小説」書き方講座


デビュー15周年の千早茜さんとデビュー30周年の村山由佳さんのトークイベントに行ってきました。
会場入口に開場40分前に到着。

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開場30分前にスタッフの方が準備を開始。雨がしとしと降る中、待っていたら、早めに会場に案内された。一番乗り!
スタッフの方に、写真撮影可能かを尋ねたら、イベント前ならokとのことなので、会場内を撮影。

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そこに..和服姿の麗しい女性が現れ、会場をぐるりと見渡す。なんと!なんと‼︎村山由佳さんだったのです。
あまりに突然のことで、動揺を隠せないわたし。「む、む、村山さん」と泣き声に近い声に。ニコッと微笑み、「ありがとうございます。後ほど」と手を振ってくれた。もう既に満足してしまい、脱力〜。高揚感に満たされる、過去最高の一番乗りでした。

18:00開始。千早さんと村山さんの仕事や恋愛の価値観、お互いのリスペクト、プライベートでも仲良しな雰囲気が伝わる和気藹々とした朗らかなやりとり、作家さんの感性の豊かさやユーモアに前のめりで聴き入りました。時折、村山さんが発する官能的な言葉にハラハラドキドキしつつも、お人柄が素敵すぎて、ただただ魅了されるばかり。作家さんのお話は興味深い。何時間でも聴ける自信あり!

お二人の恋愛観や小説の創作活動など、様々な価値観が真逆なのが面白い。参加者からの質問にも丁寧に回答をするお二人。難しいと頭を捻らせていたのが「信頼と恋愛」という質問。千早さんは実生活では信頼がなければ恋愛はできないが、小説では信頼を置くと物語が描けない。信頼があると不安も生じないし、事件も起きない。。確かに。

最後に小説を書くことの大切さをそれぞれ問われ、「書くときはたくさん嘘をつくが、自分への、自分を守るための嘘だけはつかない」という所が共通していて、お二人の強い信頼感を感じました。内容の濃い充実した時間でした。

サイン会の時、緊張してお話をする事ができないだろうからお手紙を送らせていただきました。
手紙では伝え切れない思いを言葉でも少し伝えることができたことも、嬉しかった。

↓千早さんの新作『マリエ』の香水。甘さの中に大人の深みがある香りでした。

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初めてのサイン会。心の内で静かなるエキサイトを感じました。またお会いしたい!という気持ちが高まる。

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知性、ユーモア、優しさ、品格を兼ね備えた魅力的な作家さんたち。村山さんの柔和なチャーミングさと千早さんのゆるぎない芯の強さを受け、なんとも至福の夜でした。オンライン配信も楽しみ!

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『マリエ』 千早 茜

 

おすすめ ★★★★☆

「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」
桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫から「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由に納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していないと思うと心は軽やかだった。すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望に呑み込まれたくはないが、なにか不安で、なにか取りこぼしている気がする……。新直木賞作家が描く、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。

【感想】

千早さんご自身の離婚経験から感じ入る様々な思いが丁寧に描かれていて、離婚後の女性心理が真に迫り、経験のないわたしでも共感するところが多々あります。「傷つく」ことについて。「傷ついてる自分に傷つく歳になった」...わかるなぁ。内省する事が多くなってるからか、心に響く。千早さんの言葉ひとつひとつが、スッと胸に入り込む。

今まで気に留めなかった生活音や朝日の差し込む光など、ひとりだからこその五感の研ぎ澄ませ方や、他者との距離感にその人から放つ匂いで好感や苦手意識を感じるところも、香りを趣味としている千早さんならではだなぁなど、随所に千早さんを身近に感じさせられ、作家さんとして尊敬をする傍ら、一人の女性としての幸せや不安、葛藤を共に考え、人生の生き方、千早さんの生き方を垣間見ることができたのもうれしかった。食事の描写も素晴らしい。心理描写に反映されたり、情景の美しい演出になったり、そして何より食欲が刺激される。

恋愛や結婚、離婚への価値観は、年齢、環境、立場、そして歳の重ね方を通して、人の数ほど様々なので、切実な現実への不安や葛藤に悩みますよね。「その人の幸も不幸も、それぞれで努力するしかない」他者が幸せを決めることではなく、自分で決める。結婚が幸せの選択ならば、離婚も人生の幸せの選択。。離婚というネガティブなことも前向きな気持ちにさせられる。千早さんの等身大の物語。素敵な女性です。