みみの無趣味な故に・・・

読書、映画、ネット。。。。インドアな日々を書いてます

『ぼくは勉強ができない』 山田 詠美

 

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

 

 おすすめ ★★★★☆

 

【内容】

ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ―。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ!凛々しい秀美が活躍する元気溌刺な高校生小説。

 

【感想】

友達関係良好、サッカー部の顧問の先生と気が合い、バーで働く年上の彼女を持つ、モテる高校生・時田秀美くん。
年下の女性が大好きなおじいちゃんと、出版社で働く恋多き母親と3人暮らし。...

秀美くんは小学生の頃から「父親のいない可哀想な子」「派手な母親をもつ可哀想な子」という周囲の同情や好奇な目に違和感を抱きながら、先生、家族、友人、彼女から学校で教わらない勉強をしていく。異端な考え方を持ち、大人から生意気な子供と言われ、女の子からはかっこいいと思われ、年上や母親からは悩み苦しむ姿を可愛いと思われ、そんな自分に自己満足したり自己嫌悪に陥ったり、結局なんだかんだとモテる人がかっこいいと思ってたり。。「どんなに成績が良くても、りっぱなことを言える人物でも女にもてなかったら、随分虚しい」
高校生が考えそうな発想だけど、男子ってこんな感じなのかな?
そんな秀美くんを周囲(特に家族と彼女)が魅力溢れる男性に育て上げていく所に共感を得ました。
学生の頃に感じるとても我慢できない場所ではないけど、居心地が悪い空間の自分という存在、周囲の滑稽な様子、自己価値観と他者価値観のズレの悩み。。そういう問題は学生だけではないはず。秀美くんの悩みはなんとなくわかるなぁ。
他者価値観も理解はできなくても受け入れる心の持ち主にはなってほしいと思いました。

 

『青の数学2』  王城 夕紀

 

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

 

 おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の一人、二宮。京香凜の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第二弾。

 

【感想】

前作で京香凛に投げられた問い「数学って何?」栢山はその問いの答えを探していくうちに、日常的に問題を解き続けていた数学に苦しめられていく。E2(ネット上で数学の決闘をしあう闘技場)ではダークマターという名を名乗る者が、次々と決闘を申し込み、栢山の周辺の仲間が倒されていき、負けたものがE2の世界から消えていく。決闘をする意味は?数学の存在意義は?

話の途中で時折、父を亡くした少年とある男の会話が挿入される。少年は数学の定理、理論を学び、疑問を問いかける。何かを掴み、前へ進みだす少年。。
その後に繰り広げられる決闘。。さらなる高みに挑戦する姿。。胸が込み上げてくる。
数学に挑む者たちの苦悩、闘志、挫折、挑戦。。とても静かな描写の中なのに、、それぞれの数学への想いが熱く伝わってくる。青春って熱いなぁ。涙しました。

 

『ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さんと二つの顔』 三上 延

 

 おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

珍しい古書に関係する、特別な相談――謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その古い家には驚くべきものが待っていた。
稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと持ち主は言う。
金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、迷宮のように深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが――。

 

【感想】

本作は短編集だった今までとは違って長編でした。。好きな江戸川乱歩が題材。。横溝正史と乱歩の意外な関係など、相変わらず古書にまつわる知識が楽しい。

しかも栞子母・智恵子失踪以来の初対面。。確執ありの母娘対決。。興味そそられる。。でもここで、、急展開のはずが、なんとなくトーンダウンな気がしたのは長編だからかなぁ。。短編の切り替えが良かった分、長編って、、難易度高いって思いました。。でも次巻も気になる

『本日は、お日柄もよく』  原田 マハ

 

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

 

 おすすめ ★★★☆☆

 【内容紹介】

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。

 

【感想】

幼い頃から、本の世界で、「言葉」に触れてきた。。「言葉」の影響を受けやすいわたしは、「言葉」ひとつひとつに、喜んだり、悲しんだり、心震えたり、苦しんだり、励まされたり。。

「困難に向かいあったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまってる。二十四時間後の君、涙は乾いてる。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している」

...

すごい力。。
スピーチライター、、言葉で世界を変えることもできる。。感動でした。

『吉原暗黒譚』 誉田 哲也

 

吉原暗黒譚

吉原暗黒譚

 

 おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

江戸の吉原で黒い狐面の集団による花魁殺しが頻発。北町奉行所の貧乏同心、今村圭吾は花魁たちを抱える女衒に目をつけ、金で殺しを解決してやるともちかけた。一方、大工の幸助は思いを寄せていた裏長屋の華、おようの異変に気づき過去を調べ始める──。「姫川」シリーズの著者初の時代エンターテインメント。謎あり、恋あり、活劇ありの<江戸時代版警察小説>登場!

 

【感想】

誉田作品は「姫川シリーズ」と「武士道シリーズ」を読んで、どちらも面白かったので、初の時代小説だというこの作品を手に取ってみました。

江戸時代の警察小説。女衒・丑三の花魁ばかりが狙われる連続殺人。今村刑事(同心という役職)は丑三に5百両の報酬を持ちかけ、元花魁・彩音と独自に捜査を行う。...
一方、幼い頃から父親に折檻をされ続ける美女・およう。おように恋をする大工・幸助の話が同時並行に描かれる。

吉原。。色めきだったお話も盛り込まれ、恋愛模様あり、花魁システムの説明もあり、剣の闘いもあり、火事もあり、粋も野暮も多少あり。。
トーリーは、、普通の警察小説でした。でも、時代が変わると普通のお話も異色に感じられ(時代小説慣れしている人だと、感じ方は違うかも)、現代の警察とは全く違う捕物劇。。情ひとつでどうにかなる時代?面白かったです。
主要人物にあまり魅力を感じられなかったのが残念。その中でも元くノ一・元花魁・現在は人気髪結いの経歴を持つ彩音は良かった。峰不二子みたい。
時代物は読み慣れていないので、読み進めるのに苦労はあったけど、時代小説もたまには、読んでみようと思ったのでありんすぅ。。

『ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~』  三上 延

 

 おすすめ ★★★★★

 

【内容紹介】

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない―。これは“古書と絆”の物語。

 

【感想】

今回も良かった。。シリーズ読むうちに、、どんどん吸い込まれて行く。
古書を通して、誰かに伝えたい想い。。本で救われていくこと。。苦しい時に投げかけられる本の一節。。心に留めておきたい言葉。。読んでるだけで感情が込み上げてきた。。(;_;)

栞子さんの失踪してしまったお母さんへの想いや不可解な謎。。

「一般的に母と娘が仲違いしたら、原因は母親の方にある」

栞子さん断言。。根深い母娘の確執。。母への想いが強い証拠。。

探し続けるお母さんとの思い出の一冊。。栞子さんの周辺の奇妙な動きが次回にどう展開されるのか。。?
続きが気になります。

『青の数学』 王城 夕紀

 

青の数学(新潮文庫)

青の数学(新潮文庫)

 

 おすすめ ★★★★☆

 

【内容紹介】

雪の日に出会った女子高生は、数学オリンピックを制した天才だった。その少女、京香凜(かなどめかりん)の問いに、栢山(かやま)は困惑する。「数学って、何?」――。

 

【感想】

京果凛(かなどめかりん)数式。。そ答えを探す佰山(かやま)
数学者が集まり決闘し合うネット上闘技場「E2」
全国トップ高校数学研究会と決闘する佰山。。数学想い、数学をやる意味、、仲間やライバルと競いながら、、答えを追求していく。...
数学オリンピックに挑む高校生たち熱き闘い物語。。

数学って何?」
解ける、証明する、正答がある。シンプルなだけに難解な世界。。

「わたしはなぜ数学ように美しくないだろう」「愛しているというだけで残れるほど数学は優しくない」
「好きな数字は?そ意味は?」「最も美しい長方形は?」「美しい数式は?」
人生で考えたこともなかったことばかり。。

ラストが清々しく終わったこと。。序盤では想像できなかった。まさにこれが数学。。
わたしにとって、、とっても刺激的な作品でした