みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画の感想を書いてます。

『永遠。』 村山 由佳

 

永遠。 (講談社文庫)

永遠。 (講談社文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

 

【内容紹介】

生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。

 

【感想】

ずいぶん前に読んだ作品。読んでいくうちに懐かしさがこみ上げてくる。。

短い物語の中で、切なさがぎゅっと詰め込まれて、親子の繋がりや幼なじみの二人の淡い関係が、、村山ワールド全開で良かったぁ。

 

村山さんのあとがきで、『星々の舟』の出版が遅れた骨折事件が書かれてた。。面白かった(*≧∀≦*)。。。と言っていいのかな?笑。

あと思い出したのが、この本は内山理名主演『卒業』という映画のコラボ本。。夏川結衣さん(弥生の父の現在の恋人役)が好きで観た事があるの。。でも、この映画の内容は全く覚えてなかった( ̄▽ ̄*) ・・・ァハハ

『真白の恋』

 

真白の恋[DVD]

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おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている。
見た目にはそれとわからないが、真白には、ごく軽度の知的障がいがある。
日常生活に支障はなく、現在は父の営む自転車店の店番をしたり、飼い犬の世話をしたりと、元気に暮らしている。
ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は、 東京からやって来たフリーカメラマン、油井景一に出会う。
真白の、生まれて初めての恋。 応援する人、心配する家族。 その中で真白は何を感じ、どう成長していくのか…。
自然豊かな富山に暮らす、ひとつの家族の、「優しさ」と「葛藤」を描く。

 

【感想】

渋谷真白...初めて恋をする。
真白の恋を応援する人。心配する人。
普通じゃない。。そう扱われてきた真白。

 

「どうやったら、普通になれるの?」

 

人を好きになって、喜びと苦しみを知る真白は、、可愛い普通の女の子でした。ほんとに可愛い。。泣けてくるくらい可愛い。

 

真白が自分の事を好きな人に「気持ち悪い?」と聞いてしまう所。自分の中では既に「普通」だけど、周りが持つ「普通じゃない」基準に、漠然と不安にもなる。。そんな気持ちが好きな人にこんな質問をしてしまう。変な自分が嫌われるのでは。。切ないなぁ。。恋をすると誰でも起きる。。普通に真白は恋をしてる。。束縛する家族も、、それぞれ苦しんでる。。家族の葛藤と真白への優しさがとてもよく描かれてます。。

 

ピュアな真白の心が映し出されたような富山の綺麗な自然な景色。。優しさの染み込んだ映画でした。



『天上の飲み物』 三浦 しをん

 

おすすめ ★★★☆☆

【内容】
後藤次郎は酒屋の二階に下宿する大学生21歳。実は世を忍ぶ仮の姿であり、400年以上生きている不老不死の吸血鬼。。人間に恋をしても報われない恋に一人傷つくが、何度も恋をしてしまう。。ワインの魅力に取り憑かれ、お気に入りの日本のワインと近所に住む恋人の宮村有美とのひとときを楽しみとして生きる。。決して打ち明けられない秘密を抱える次郎の、ユーモラスでちょっとせつない恋物語

 

【感想】
吸血鬼の悩みに比べたら、人間の悩みはくだらない?人間の女性に恋をしてしまう吸血鬼の悩みは尽きない。。

「終わりがあるからこそ美しい。」

 

20分程度で読めるとっても短いお話でした。

『ぬけまいる』 朝井 まかて

 

ぬけまいる (講談社文庫)

ぬけまいる (講談社文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

一膳飯屋の娘・お以乃。御家人の妻・お志花。小間物屋の女主人・お蝶。若い頃は「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、界隈で知らぬ者の無かった江戸娘三人組も早や三十路前。それぞれに事情と鬱屈を抱えた三人は、突如、仕事も家庭も放り出し、お伊勢詣りに繰り出した。てんやわんやの、まかて版東海道中膝栗毛!

 

【感想】

若い頃は「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、もてはやされた江戸娘三人組。家業を手伝いながら、地に足がつかないお以乃。傾きかけた生家のお店を立て直し、商売に成功したお蝶。浪人の家で育ち、御家人の家に嫁いだ専業主婦のお志花。。幼い頃から仲良し三人娘、三十路前となり、それぞれが鬱屈した今の生活に嫌気をさし、仕事も家庭も放り出し、お伊勢参りに繰り出す。。

着の身着のまま飛び出した三人娘。春から秋にかけての旅の最中は喧嘩はするし、騙されもするし、人の優しさにも触れるし、、恋もする。。この三人の良い所はお互いの踏み込む領域を心がけ、相手の心情を常に思いやり、見守りながら応援をする粋な女性たちであること。。三人娘は性格も境遇も違う。。誰かにどこか共感できるんじゃないかなぁ。。わたしはお志花の妻としての役割と母親としての辛い気持ちに心痛みながら共感をしました。。剣術に長け、強さも兼ね備え、真面目で冷静で二人のお姉さんのような存在。。お志花が家庭を捨ててまで旅に出た人に言えぬ悩みを二人が察して、寄り添う気持ち。。言いたい放題な関係だけど結びつきの強さに、、女友達っていいなぁと思えます。。女性はたくましい。。情もある。。冷たさもある。。弱さもある。。ハメも外したくなる。。てんやわんやな珍道中でもたくさんの得るものをちゃんと掴む、かっこいい女性たちの爽快なお話でした😊📖⤴️

『眠りの庭』 千早 茜

 

眠りの庭 (角川文庫)

眠りの庭 (角川文庫)

 

おすすめ ★★★☆☆

 

【感想】

「アカイツタ」
美大出身の臨時教員・萩原は美術準備室で卒業生のキャンバスを見つける。少女が描かれている絵に興味を持ち、調べると描いた生徒は既に亡くなっていた。。絵の行き場がなくなった時に現れたのがモデルの少女・小波美大の頃の恩師の娘・さなみ)だった。。ここから話は急展開に。。萩原は謎めいた影のある小波に惹かれていく。。父親から歪んだ愛で育てられた小波を救いたい萩原...。

 

「イヌガン」
年上の恋人・澪と暮らす耀。澪の言動に不安を抱き、彼女を尾行をすると、自分の知らない澪がいた。。ここから...

異なる2つの話が絡まり繋がり、真実が浮かび上がる。。

 

どちらの話も仄暗くて陰鬱で破滅にじわじわ向かっていくようなねっとりした空気が漂ってる。千早さんの美しい文章に絵画の世界を感じさせられる。現実的ではないという感覚が強いかな。絵を巡る話でもあり、小波サロメのような女性と描写し、サロメのお話が出て興味深かったです。

「イヌガン」の話の方が好きです。耀が母から聞かされる言い伝え(イヌガン=犬神)に出てくる女性と澪を重ね合わせていき、惹かれていく様がとても純粋で幻想的でいいなぁ。。と、思いました。
このイヌガンという言い伝えは実在していて、与那国島で伝わる悲しい物語。男よりも犬を愛した女性のお話。

簡単に説明すると...

男たちとオス犬一匹と女が乗った船が、嵐に遭い、無人島(与那国島)にたどり着き、なぜだか男が次々姿を消していき、犬と女だけが残る。そこに新たな男が現る。女は「ここには猛犬がいるので、見つかれば噛み殺されます。どうか早く島を出てください」と話すが、女の美貌に男は犬を殺して遺骸の場所は教えず、女と夫婦となり、7人の子を授かる。男は女に犬の遺骸の場所を教えると、女は姿を消す。。男は女を探す。。女は犬の遺骸の場所で骨を抱いて死んでいました。。(安心し切った男の悲しい末路ね)

 

この本の内容は言い伝えに集結してる気がする。。
愛の形。。わかっているつもりが、本当は何もわかりあえていないこと。。「救える」は錯覚で、奪っていること。。

親子の歪んだ愛はわたしは理解はできないけど、、不可解な事は世の中にはたくさんあるって事はわかります。

『おそろしくへんなローリー』 はらふう はらひで

 

おそろしくへんなローリー

おそろしくへんなローリー

  • 作者: 絵はらふう 作はらひで
  • 出版社/メーカー: みらいパブリッシング
  • 発売日: 2019/02/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

第1回 絵本出版賞  最優秀賞受賞作品

「怖すぎる」と二度と読まない人もいるが、
「考えさせられる」と何度も読む人もいるだろう。
不気味で愛らしいローリーが見た世界とは!

『あなたはどう?へんな子じゃない?』

 

【感想】

物語に入る前に。。

はらふうさんの独特な絵に惹かれます。。押し寄せてくる恐怖の連続。。ローリーの不思議さ、表情無き者たちからじんわり伝わる悲しさ、物寂しさ、虚しさ。。読み手の感情がそんな風に見せるのかなぁ。。それも怖い。。怖いもの見たさで何度も見ちゃう。。

 

物語を読むと。。

同じものに取り込まれていく安堵と恐怖を感じる。。わたしもローリーのかけらが散りばめられている。。ローリーを取り込む者のかけらも散りばめられてる。。ふと気づく。。無意識に子供の個性を壊してる側にいるんじゃないかなぁ。。自分もローリーの時があるのに。。反省しちゃう笑 。。魅力的な個性は、否定され、押さえつけられ、人並みにされてしまう。。なぜかな?歳を重ねていくうちに常識の枠に収まる安堵感を知ってしまうからかな?。。社会が教えてることが全てが正しいと錯覚を覚えるからかな?。。その枠外で生きる人は必ずいる。。

それがローリー?

答えがないから、読書は面白い。。この絵本もそんな風に楽しめる。。

 

中学生の娘も読みました。感想は「小学生の頃に読んだら、トラウマになりそう。怖いなぁ。感想は難しい。でもマルー(続編?)も読みたい」でした。小学生の息子は、怖そうだからと開きません笑。。

 

絵本は短い物語の中で色々な発見があり、絵を見てるだけでその時その時の解釈の変化を楽しめる。。絵本コーナーで目を輝かせてる小さな読書家さんたちが触れるかもしれない一冊。。親子で楽しんでほしいなぁ。年齢層や環境の違う人たちの様々な意見を知ることができるきっかけになると思う。

『青森ドロップキッカーズ』 森沢 明夫

 

青森ドロップキッカーズ (小学館文庫)

青森ドロップキッカーズ (小学館文庫)

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

いじめられっ子の中学生・宏海、中途半端な不良で同級生の雄大、そしてプレッシャーに弱い柚香と楽天的な陽香のアスリート姉妹。何をやってもうまくいかない彼等を結びつけたのはカーリングだった。天才的アイスリンク作りの老人とバツイチの助手・桃子の応援を背に受けて一歩ずつ新たな人生を歩んでいく…。「四枚揃わなければ、四つ葉のクローバーにはならないのだ。自分だけが逃げ出すわけにはいかない」青森を舞台に、見た目もキャラもバラバラな凸凹チームが巻き起こす、爽快でしみじみ泣ける青春カーリング小説。

 

【感想】

青森三部作第2弾。
コイントス」の章から始まり、「第1エンド」「第2エンド」...ラストの「エキストラエンド」とカーリングらしい章。。新メンバーとうまくいかない柚香と暗闇から立ち上がれない宏海。宏海が参加したカーリング体験で、柚香と出会い、二人が大きく成長していく。。カーリングを通して、不安と期待、苦しみと悲しみ、苛立ちと落胆、目標と決意、卑屈と信頼、勇気と友情、カーリング精神を学ぶ。。


「第10エンド」の章で、大号泣してしまいました。。親友の雄大。。ちょっと不良だった雄大カーリング精神。素晴らしい。これぞ青春!心洗われる。。何度読んでも最終エンドは泣ける。。(T-T)

宏海と雄大の片思いのその後が、気になるけど、、どうなったの〜?


前作の津軽百年食堂が少しだけ登場して懐かしさと四代目の頑張りが微笑ましい^_^

 

バンクーバー五輪で初めてカーリングを観て、地味な競技だけど、奥深いスポーツ。。心理戦、作戦会議ダダ漏れ、謎の叫び声(意味はちゃんとある)、思いやりルールのカーリング精神に感動して、大ファンになりました。。ということで、カーリングに熱く燃えるスポ根小説とまではいかないけど、青春小説の瑞々しさとカーリングを楽しめて大満足です。。ファンの甘さで星五つ🥌💨ウォ-ウォ-ウォ-