みみの無趣味な故に・・・

読書、映画、ネット。。。。インドアな日々を書いてます

『飼う人』 柳 美里

 

飼う人

飼う人

 

 おすすめ ★★★☆☆

 

【内容紹介】

夫との生活に疲れた中年女は、家にいた毛虫に「トーマス」という名前をつけて飼うようになった。トーマスへの愛着が深まることで、なじんでいたはずの夫が、いままでとは違って見てくる。夫の本心とは何か。夫の好きなものは何か。夫は何に関心があるのか。夫は何も関心を持っていないのか。わたしは夫の何に関心があるのか。何もないかもしれない。わたしは自分に対しても、関心を持つことができない。どうしてこんなことになってしまったんだろう。何がいけなかったんだろう。疲れた。ほんとうに疲れた……。
中年女のリアルな心情を細密に描く――「イボタガ」

 

【感想】

夫と2人暮らしの生活に疲れ、、「なぜこうなったのだろう?」と自問自答しながら、、オリーブの葉に付いていた蛾の幼虫(イボタガ)を飼う妻。。

子供を授からなかった事が大きな原因なのかもしれないが、最初からお互いの関心度の低さが感じられる。たまたま出会い、たまたま付き合い、子供が欲しいという理由での結婚は破綻しかないような気がする。


会社の経営悪化で大量リストラにあい、元社員の相次ぐ自殺の連絡を受け、、自己の自殺に怖れを抱く。生活の激変の最中に出会うウーパールーパーを飼う男。。

やりがいのある仕事を突然奪われる心境。。どんな仕事も生きるために必要だけど、「死」を選ばなければならないほどの喪失感や絶望感がこの話からは漂ってくる。。追い打ちって「え?まだあるの?」というほど、底がないのよね。


傾いた欠陥だらけの家に住む母との孤独な生活の光がペットのアロワナ。東日本大地震で死んでしまい、生き餌のコオロギ処分の為に、イエアメガエルを飼う息子。。

息子は中学浪人。母の愛情に恐怖を感じながら、カエルだけではなく、共生してる母の観察もしてる。どこか狂気を感じる話。。実は話が入ってこなかった。。原発被災地という環境でもあり、とても大きな問題が含まれている気がしてならない。


突然、妻(イボタガを飼う人)に出ていかれた。休職をして、妻の帰りを待ちながらツマグロヒョウモンを飼う夫。。

やはり結婚破綻の運命だった夫婦。。トーマス(イボタガ)を失ったことはただのきっかけに過ぎないのだろうが、夫は妻の失踪の理由を明確にはわからないまま、待つ。すべての事って明確な答えはないことを、改めてわかった。

 

とにかく、、暗い。。絶望、失望、悲観が続き、、疲労がわたしの体を包む。。どうにもならない現実に埋もれながら、、何とか生きてる人たちが「飼う」事で、生の意味をつけてる気にもなる。。「生」と「死」どちらにいても良いという無気力感。。先の見えない迷路を歩き続け、出口を探したい一心で、一気読みしました。。出口に出られたのかどうか、未だ不明。。読後、、冷静に受け止めてる自分。。説明できない妙な気持ちになりました。。

『ミーナの行進』 小川 洋子

 

ミーナの行進 (中公文庫)

ミーナの行進 (中公文庫)

 

 おすすめ ★★★★★

 

【内容紹介】

美しくてか弱くて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない――懐かしい時代に育まれた、二人の少女と、家族の物語。 

 

ミュンヘンオリンピック開催の年に朋子が芦屋の洋館に住む伯母家族と暮らす物語(朋子の長い家族紹介みたいだったなぁ。。)

飲料水会社を経営する留守がちなドイツ人の伯父、誤植探しを目的に活字の砂漠を旅する伯母、おしゃれ大好き女子力の高いローザおばあさん、スイスの大学に留学をするイケメンの龍一さん、家族の生活の実権を握っているお手伝いの米田さん。偶蹄目カバ科コビトカバ属のポチ子💕(ポチ子の登場がカバ好きのわたしをワクワクさせてくれる。。😍)庭師兼ポチ子のお世話係の小林さん、朋子の一つ下の可憐で美しい少女ミーナ。

喘息で入退院を繰り返すミーナは読書家でマッチ箱収集家。箱の中身はミーナが語る物語で埋め尽くされている。絵柄に命を吹き込むような、物語の数々(幼い頃はこういう遊び方するね)
ミュンヘンの道』📺を観ながら、空想バレーボールで名選手になったり、、毎週水曜日に来る配達人「水曜日の青年」に一途な恋心を抱いたり...。
多感な少女二人が語り合った秘密の時間。家族との温かい優美な日常。。ポチ子との楽しい行進。。
幸せなひとときが濃厚であればあるほど、、いつかは失う悲しみや寂しさ。。「誰も欠けていない」大切な家族写真を想う朋子の気持ち。。しんみり、、切ない。。

『霊長類ヒト科動物図鑑』 向田 邦子

 

新装版 霊長類ヒト科動物図鑑 (文春文庫)

新装版 霊長類ヒト科動物図鑑 (文春文庫)

 

 おすすめ ★★★★☆

 

【感想】

向田邦子さんは人間観察が優れてる点でささいな日常がとても奥深く、目の前に起こる世界はドラマがあるんだなぁと思わせてくれます。
時代は全て昭和。。生まれは昭和だけど遠い過去のような気持ちになりました。。昭和の文化、テレビ、街並み、あの頃、大人だったら面白みは今よりありそうな気がします。。
「プクッとよう肥えてる」女の子が海辺でGパンを脱ぐCM(名前はわからないけど、見たことはある)が大のお気に入りの70代老紳士が、ズラリと並んだ漁師姿の子供達が歌ってる中央の魚を持たされてる7.8歳の女の子のCM(これは知らない)を見て色気を感じるようで「大きくなったらモンロやなぁ」という呟きから、、マリリンモンロー話。。彼女がケネディ大統領へバースデーソングを歌うシーンでモンローの「切れる女」を垣間見た向田さんはモンローの死で、、「馬鹿をよそおう利口な女」の時代が終わったという。。今はどういう時代だろう。時代の流れが早すぎて、、わかりにくいなぁ。。「切れる女(男)をよそう馬鹿な女(男)」がいるかもしれないけど、、今の時代を向田邦子視点で語ってほしかった。。

 

『あわせ鏡に飛び込んで』 井上 夢人

 

あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫)

あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫)

 

 おすすめ ★★★☆☆

 

【感想】

者のコメント付き短編。。話も面白いけど、短編を書いた理由も面白い。。原稿料の払いっぷりの誘惑に負けて書いた作品や、、「作者当て3人競作」(逢坂剛さん、大沢在昌さん、著者)という企画で誰が書いた小説かを読者が当てる作品や、、純文学系の文学誌からの依頼で緊張して書いた作品や、、絶版となり、世間にあまり読まれなかった幻の作品(表題作)や、、当時の若手作家の集まり「雨の会」で出版したアンソロジーなど。メンバーは大沢在昌折原一高橋克彦、新津きよみ、東野圭吾宮部みゆき、著者他10名。。「雨の会」の名前の由来は、みんなが集まると必ず雨が降るから。。どうやら宮部さんが雨女で今では「異常気象女」と言われてるそうです笑。
お話の方は別れを告げられ、瞬間接着剤で男をつなぎとめようとする女や、画家の描いた鏡の絵で罠に嵌められた医師や、臨死体験を実現できる薬を開発した科学者の恐怖の末路(めちゃ怖いし、めちゃ痛い)など、、人間心理ミステリーは怖面白い。。

 

『陸王』 池井戸 潤

 

陸王

陸王

 

 おすすめ ★★★★★

 

【内容紹介】

勝利を、信じろ。足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。このシューズは、私たちの魂そのものだ!埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」。日々、資金操りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、会社存続のためにある新規事業を思い立つ。これまで培った足袋製造の技術を生かして、「裸足感覚」を追求したランニングシューズの開発はできないだろうか?世界的スポーツブランドとの熾烈な競争、資金難、素材探し、開発力不足―。従業員20名の地方零細企業が、伝統と情熱、そして仲間との強い結びつきで一世一代の大勝負に打って出る!

 

【感想】

下町ロケット』を思い出す、、高揚感。。

町工場の社員一人ひとりが新規事業のランニングシューズ「陸王」に賭ける想い。。熱い。。ウルウル。。(இдஇ`。)

 

魅力ある登場人物。夢を追い苦悩する宮沢社長、現実を見つめる経理のゲンさん。縫製課の女性たち。。カリスマシューフィッター(シューズマイスター)・村野。。

夢を追う社長・宮沢と現実を見る経理のゲンさん。。経理の仕事してるからわかるけど、赤字に近づく恐怖と焦り。。怖いのよ。。資金繰りの調達は困難。。将来見込みより実績重視。。これじゃ夢も希望もないってどん底になるわ。。

縁の下の力持ち的な縫製課の女性たちの底力。。女性は強い!

選手一人ひとりに真剣に向かいあうシューフィッターの優しく熱い気持ち。。選手には心強い味方。

一番魅力的だったシルクレイ(ソールの素材)技術者・飯山さん。仕事に対しての執念さとプライドに惚れ惚れ。。「世界一になる!」ってビックマウスだけど、、なるんじゃない?って思っちゃう。。かっこいい。

わかりやすいライバル企業の嫌な面々。。この人たちが嫌であればあるほど、、応援し甲斐があるわ。

会社は大小ではなく、、仕事にかける情熱と信頼と仲間が大事だなぁとつくづく思いました。

マラソンのようにスタートしてから山あり谷あり、苦しみを乗り越え、ラストまで駆け抜けていくストーリー。。爽快感と達成感がありました。

下町ロケット』では「まさに下町ドリーム!」だったけど、、今回は「まさに町工場ドリーム!」でした。。゚+。(о'∀')bスカッと!

『香菜里屋を知っていますか』 北森 鴻

 

香菜里屋を知っていますか

香菜里屋を知っていますか

 

 おすすめ ★★★☆☆

 

【内容紹介】

香菜里屋シリーズ完結編。当店の裏メニュー。それはお客様が持ち込む謎と、その解決です。ビアバー香菜里屋は、客から持ちこまれる謎がマスター・工藤によって解き明かされる不思議な店――。常連客は、工藤による趣のある料理とともにこの店を愛していた。だが、その香菜里屋が突然たたまれてしまう。そして若かりし頃の工藤の秘密が明らかになる。シリーズ完結編。

 

【感想】

常連客が解き明かす香菜里屋のマスター・工藤。。香菜里屋に訪れる客の様々な謎を解き明かしていく工藤。シリーズ最大の謎、、工藤の過去と彼の行方。。

謎は謎のままであってほしかったかなぁ。。香菜里屋の空間は、ファンタジーの世界であり、、過去を置いていきたい場所として、存在してほしいと、、常連客目線で思ってしまいました。。

 

 

『ちいさな王子』 サン・テグジュペリ

 

ちいさな王子 (光文社古典新訳文庫)

ちいさな王子 (光文社古典新訳文庫)

 

おすすめ ★★★★★

 

【内容紹介】

砂漠に不時着した飛行士の「ぼく」。その前に突然現れた不思議な少年。ヒツジの絵を描いてとせがまれたぼくは、ちいさな星からやってきた王子と友人になる。王子の言葉は、ずっと忘れていた、たくさんのことを思い出させてくれた。「目ではなにも見えないんだ。心でさがさなくちゃ」。

 

【感想】

大昔に『星の王子さま』を読んでいた幼いわたしを思い出し、、ノスタルジックな気持ちになりホロリときた。。幼い頃のわたし。。別れのシーンで、ポッカリ穴が開く(当時はこんな言葉浮かばず)ような気持ち(すごく寂しい気持ち)で読んでた事を思い出した。。
昔の記憶は、、悲しい感情は全体がグレーで楽しいと黄色の映像で浮かぶ。。この本に関係ないけど、、絵本を読んでる幼い記憶はグレーが多い笑。。結構シビアな思いで読んでたなぁと、、思いに耽る事が出来ました。。