みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画、絵画鑑賞の感想を書いてます。

『レキアイ!歴史と愛』亀

 

レキアイ! 歴史と愛(1) (星海社コミックス)

レキアイ! 歴史と愛(1) (星海社コミックス)

  • 作者:
  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

世界史に名を残す天才たちは、愛のカタチも規格外!
ゲーテ ナイチンゲール ダーウィン
マリー・アントワネット ダンテ ルター
マリ・キュリー オデゥッセウスとペネロペ
管仲と鮑叔 ヴェートーヴェン サド
チャイコフスキー ゴッホ 武則天
の歴史と愛が登場します!

【感想】

東大生が推す漫画の上位に挙げられていたので、買ってみました。歴史が苦手なわたしの遺伝子を受け継いだ子供たち...少し歴史を身近に感じられるかな?

「歴史と愛」...歴史愛...「歴女」という言葉も一時期耳にして、歴史愛ってどんなものなんだろう?と子供が読む前に読んでみました。
想像と違った。歴史の愛をガンガンぶつけられるのかな?と思ったら、、何ともゆるやか〜。偉人たちの恋愛模様と歴史背景がゆるゆるっと描かれていました。。でも偉人たちの意外なエピソードが面白い。。偉人たちのめんどくさい性格ったら笑。。愛に救われたり、救ったり。。マリーアントワネットが嫁ぐ日の母の言葉。注意に欠ける娘へ。「遊びすぎないように気をつけなさい。炎上しないように」って...笑った。キュリー夫人一家のノーベル賞受賞数にも驚いた。夫、夫人は認識してたけど...子供たちまで。。一家で5つ。。すごいわ。
現代風の言葉遣いと偉人たちの似顔絵のギャップもすごく笑えて、ゆるいのだけど、やはり偉人、。漲るパワーがすごい。学校では教えてくれない偉人たちの面白エピソード。。人物に興味を持つ事が大事。。歴史は苦手でも、少し好奇心を与えてくれるかもしれない。
ただ、注意する点が....一部ですが、あまり子供に触れてほしくない性的描写があります。小さな子供にはあまり良くないとわたしは感じました。。大人が一度読んでから判断するのがいいと思います。

『オルタネート』 加藤 シゲアキ

 

オルタネート

オルタネート

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。全国配信の料理コンテストで巻き起こった“悲劇”の後遺症に思い悩む蓉。母との軋轢により、“絶対真実の愛”を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津。高校を中退し、“亡霊の街”から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体―。“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。

【感想】

著者はアイドルグループ「NEWS」のメンバー。。芸能界に無頓着なわたしは、彼の活躍をあまり知らないのですが(ファンの方、ごめんなさい💦)、小説家としての才能は素晴らしいと思う。。引き込ませる文章力、夢中にさせる高揚感、SNS、動画配信の魅力と有効性、視聴者の高ぶる感情と一体感、これからのネットへの可能性を感じさせられる。。キャラそれぞれのオルタネートへの個性もしっかり描かれていて、自由奔放に自分の恋愛を配信するダイキ、オルタネートに拒絶を感じ、あえて使わない蓉、オルタネートの新機能を駆使し、運命の人を必死に探す凪津、高校を中退し、オルタネートから外され、繋がりを失う尚志。。人との深い関わりに悩みながら、現代の若者らしくSNSを通して、自分を育てていく。。料理と音楽が重なり合い、好きという気持ちが加速していくシーンに心臓が高まり、高揚感に包まれました。。華やかなエンタメの世界を生きる著者だからこそ紡ぎ出せる物語であり、遺伝子などの生物学や料理の知識など、情報豊富で驚きも混じりながら、すっかり魅了されてしまいました。
そして、コロナ禍で学校イベントを奪われてしまった高校生たちが送れるはずの煌めいた高校生活が鮮やかに描かれていて、現役高校生たちには眩しさを感じるだろうなぁと、少し切なさも混じる。。純粋でまっすぐな青春そのものがたくさん詰まった物語。想像以上に感動しました🥲

 

『スマホを落としただけなのに』 志駕 晃

 

スマホを落としただけなのに (宝島社文庫)

スマホを落としただけなのに (宝島社文庫)

  • 作者:志駕晃
  • 発売日: 2020/01/09
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され…。

【感想】

図書館で予約200人超えの話題本。。忘れた頃にやってきた。。今読んでも面白いのかな?と思ったら、楽しめました。。楽しいというか、怖楽しいです。。いや、リアルにありそうで本怖です。。

彼氏がスマホを落とした事が恐怖の発端。。用心深い性格でも、身近な人のスマホがサイバー凶悪犯に拾われたら...自分の個人情報が盗まれ、監視され、SNSを乗っ取られ、殺人事件に巻き込まれていく。。話は単純で読みやすい。身近に関わる内容なので緊迫感もあります。サイバー攻撃の勉強にもなる。。そして何より、Facebookを利用してる人のセキュリティ危機感の低さが大問題‼︎特に彼氏の富田くん‼︎富田くんはいい人で素直で純粋で優しい男性だが、、危機感が無さ過ぎて...呆れ放題。。でも憎めないしほっとけない(←この感情もやや危険)。。わたしも富田くんほどではなくても、セキュリティを徹底してるかどうかと問われれば、、自信はない。
この本が発行された当時より現在はスマホのセキュリティソフトも充実し、SNSの利用者も増え、個々のセキュリティ意識は強化されているだろうが、、危険な落とし穴が全て埋められているわけではない。。わたしも最近、SNSではないが、リアルで怖い思いをしたのでセキュリティ対策として、改めて再確認し、意識が高まった。。続編も読んでみよう。

『JR上野駅公園口』 柳 美里

 

JR上野駅公園口 (河出文庫)

JR上野駅公園口 (河出文庫)

  • 作者:柳美里
  • 発売日: 2017/03/03
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

東京オリンピックの前年、男は出稼ぎのため、上野駅に降り立った。そして男は彷徨い続ける、生者と死者が共存するこの国を―。構想から十二年、柳美里が福島県に生まれた一人の男の生涯を通じて“日本”を描く、新境地!

【感想】

主人公は福島県相馬郡出身。1933年生まれ。両親、弟妹を養うために12歳の頃から様々な出稼ぎをします。結婚後も出稼ぎを続け、妻と二人の子を養います。1963年、翌年の東京オリンピック開催に向け、賑わう東京へ出稼ぎに。家族と過ごす時間はわずかではあったが、不満を感じる事なく働き続ける男の元に届いた一人息子の突然の訃報。家族を亡くし、後悔に苛まれ、不運に絶望し、ただ生きるだけの人生を選ぶ。生き彷徨うために降り立った上野駅。ホームレスとなってただ生きるのです。

主人公の男は現上皇陛下と同じ年に生まれました。息子は皇太子殿下(令和天皇)と同じ日に生まれ、殿下の名前の一文字を付け「浩一」と名付けます。男の振り返る半生の中で天皇御一家に強い意識を持つことがわかります。
この本でホームレスの「山狩り」(特別清掃)という言葉を初めて知りました。天皇陛下が上野公園に行幸(外出)される数日前にブルーシートで作られたホームレスの住まい(コヤ)を撤去し、指定の場所に一時的に移動するようにと、、警察から各コヤに張り紙をされるのです。天皇家の目に入らないようにする配慮なのでしょうが、まさに日本の光と闇が存在しています。。貧困に苦しみ、家族を失い、「運がなかった」と絶望の淵を彷徨う男。自分の心の中に根強く存在する天皇陛下の目に触れられない存在。天皇陛下は眩しい光となり、男の背中をそっと押します。。闇の中で照らされる光の輝きが強過ぎると生き方を見失ってしまうのかもしれない。。同じ年月を生きたそれぞれの男の人生の対比。。冒頭からやるせなく、ラストまで切ないです。

 

『犬がいた季節』 伊吹 有喜

 

犬がいた季節

犬がいた季節

  • 作者:伊吹有喜
  • 発売日: 2020/10/14
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

ある日、高校に迷い込んだ子犬。生徒と学校生活を送ってゆくなかで、その瞳に映ったものとは―。最後の共通一次。自分の全力をぶつけようと決心する。18の本気。鈴鹿でアイルトン・セナの激走に心通わせる二人。18の友情。阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件を通し、進路の舵を切る。18の決意。スピッツ「スカーレット」を胸に、新たな世界へ。18の出発。ノストラダムスの大予言。世界が滅亡するなら、先生はどうする?18の恋…12年間、高校で暮らした犬、コーシローが触れた18歳の想い―。昭和から平成、そして令和へ。いつの時代も変わらぬ青春のきらめきや切なさを描いた、著者最高傑作!

【感想】

昭和63年。迷い犬が八稜高校で保護される。白くてフワフワした犬は、コーシローと名づけられ、学校で飼われることになった。コーシローの世話をする「コーシロー会」の代々のメンバーとの幾つもの3年間を見守り続けたコーシローの11年間。青春連作短編集です。

主人公は地方で暮らす高校3年生たち。それぞれが抱える事情に苛立ちながらもまっすぐに生きる高校生。時代は昭和から平成に。。時代背景が自分の高校時代と重なり、当時の流行りの歌や文化、震災やサリン事件など、懐かしさとほろ苦さ、衝撃がまざまざと蘇る。高校生活の3年間は人生では刹那的な時間。時が変われば文化も違う。家庭環境も違う。。でも、青春は変わらない。あの頃の自分を振り返り、甘酸っぱい気持ちが広がるのです。。

何度も切なくなるのが、出会いと別れを繰り返すコーシローの語り。「元気でね、コーシロー」と旅立っていくメンバーたちを見送る卒業式の日。。成長した卒業生との再会を心待ちにしている姿もなんとも愛くるしい。。もちろん永遠ではないこと...物語の途中でも、その時を思うと涙で字が霞むことしばしば。。動物もの...特にワンコはただただ泣いてしまうから、あまり手を出さないようにしてる。。想像通りの号泣でした。

カバーを取ると...また泣けてくる。。ぜひ読み終わってから、取ってみてください。愛おしさが込み上げてきます。

『自転しながら公転する』 山本 文緒

 

自転しながら公転する

自転しながら公転する

  • 作者:山本文緒
  • 発売日: 2020/09/28
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

東京で働いていた32歳の都は、親の看病のために実家に戻り、近所のモールで働き始めるが…。恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなの無理!誰もが心揺さぶられる、7年ぶりの傑作小説。

【感想】

舞台が茨城県牛久市。巨大な牛久大仏がそびえる街。。先日初めて見たばかりで、あの時の衝撃が脳裏に過ぎる。どこからでも見える大仏様は違和感もなく、ただの風景になるらしい。。

それはさておき、物語の主人公・与野都(32歳)は東京のアパレル販売員として働いていたが、母親の介護の為、実家の茨城に戻る。契約社員としてアウトレットで働くショップ店員。同じアウトレット内にある回転寿司の店員と恋をし、仕事、恋愛、介護に追われ、将来への不安、幸せを追い求め、思考がぐるぐる周り巡り、自転しながら公転していくのです。

30代女性の人生の悩み。。契約社員のままでいいのか?今の恋人との見えない将来...結婚...育児...親の介護...悩みは尽きない。。20代と違って、一人で抱えていかなければいけない責任の重みがついてくる。。周囲の変化や友達の鋭い指摘が都の心を揺さぶり、友達の幸せと比較し足掻いていく。
「何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失っていく。」
自分の不運や不幸に焦り、恋人と衝突してしまい、空回りを繰り返す。。決して都は不運でも不幸でもない。。親も恋人も友達も職場の仲間もかけがえのない存在なのだが、自分を大切に思えば思うほど疎ましい存在となっていく。身勝手な思考が目立つけど、生き方に自信が持てず、足りない幸せを補おうと自分を追い込んでいく都のような苦悩(呪縛?)にもがくことは、、女性の誰もが経験するのではないでしょうか。。そして都の母も更年期障害で苦しみ、介護をされる事に後ろめたさを感じながら、家族と向き合っていきます。人生を人に委ねてきた母が大きな一歩を踏み出します。その決断には感銘を受けました。

一生懸命に必死に真面目に生きる女性であるが、成長の限界を教えてくれた気がします。成長の限界を超えるには、他者との関わりが必要であり、人間関係により新たな道に進み成長していく。。一つの環境に留まっていると、成長の限界がある。。人生は自分で決めるけど、他者から教えられることが多いと思う。

『満月と近鉄』 前野 ひろみち

 

満月と近鉄 (角川文庫)

満月と近鉄 (角川文庫)

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

生駒山の麓で私は四つの小説を書き、そのうえ恋に落ちたのである。

小説家を志して実家を飛び出し、生駒山麓のアパートに籠もっていた「私」は寺の参道で謎めいた女性に出会う。その女性は万巻の書物に囲まれて暮らしていたが、厳しい読み手でもあった。私は彼女に認められたい一心で小説を書き続けるが……(表題作)。斑鳩の里に現れたひとりの青年、ベトナム戦争からの帰還兵ランボーは、己を戦場へ押しやった蘇我氏への復讐を胸に秘めていた(「ランボー怒りの改新」)。奈良を舞台に繰り広げられるロマンと奇想に満ちた4篇。本書を発表したのち沈黙を続ける鬼才の唯一の著作。仁木英之による解説、森見登美彦との対談を収録。

【感想】

最高に面白かった(*≧∀≦*)久々に声を出して笑った読書(*≧∀≦*)📖

「佐伯さんと男子たち1993」
三人の中3男子が、同じクラスの佐伯さんに恋心を抱き、次々にアホになっていってしまうというお話。(佐伯さんを「バンビ」というコードネームで呼べば、誰にも気づかれず話題ができるとか...男子らしくて、もう笑うしかない。男子の脳内はほんと可愛い。)

「ランボー怒りの改新」
時は飛鳥時代。ベトナム戦争から生還した怒りのランボー。蘇我入鹿勢と死闘を繰り広げる。(破茶滅茶な設定を上回るランボーの大暴れっぷりがすごい。)

「ナラビアン・ナイト 奈良漬け商人と鬼との物語」
生駒山の山荘で隠居暮らしをする老人の元に『千一夜物語』を即興で変形して語る事を特技とする女性が訪れる。老人が「奈良風」に語って欲しいと。(まずこの設定だけで、笑いが起きる。。でも語られる奇想天外な物語が妖しく、不思議でいつのまにか取り込まれていく)

「満月と近鉄」
内容紹介参照↑著者が四作を書くまでのエッセイかな。(現実と虚構の融合。佐伯さんの不思議な魅力と山奥にひっそりと佇む山荘の幻想的な美しさ。なぜ満月と近鉄?この答えが純朴でキュンとなる。。終わってしまうのが寂しい。)

 

この埋もれた名作は意外な所で発掘されたようで、手を尽くし出版に至ったそうです。それはよかった。純朴な男子たちの青春をわたしは十分楽しませてもらえたから。。まだまだ読んでみたいと思うが、どうやら本業の畳屋さんが忙しいようで執筆はできないらしい。。いつかまた書いてほしいですね。。森見登美彦さんとの対談も収録されていました。。どうやら作風が似てるようだ。。森見さん未読作家さんなのです。すみません。でも面白そうだなぁ。読んでみます(^^)