おすすめ ★★★☆☆
【内容紹介】
金沢東部署刑事課長の比留は公私ともにがんじがらめの大ピンチ。
妻を病気で亡くし、娘は高校を不登校。強盗犯を取り逃がして人事で左遷も確定していたが、管内の駐在所員が撲殺される事件が発生。その犯人は逃亡した強盗と同一犯だと比留は気づき、極秘捜査を開始。不運だけど悪運の強いデビル刑事・比留が疾走する骨太の警察小説。
【感想】
冒頭から不穏な雰囲気が...殺害をほのめかす謎の人物。「殺すしかない」..アイツはさぞかし喜ぶだろう..誰が誰の為に？という謎を残し、場面は緊張感高まる警察署内。強盗犯を追跡中に民間人を巻き込み怪我を負わせた上、犯人を取り逃がしてしまう失態を犯し、マスコミから批判をされる石川県警金沢東部警察署。捜査一課長・比留は捜査から外され、人事で左遷を言い渡されるはずが、管内駐在所員が撲殺される事件が発生し、現場へ駆けつける。追跡中の強盗犯と同一犯だと確信した比留は極秘捜査を始める。一方、比留は不登校の娘との関係が悪化し、家庭内でも問題を抱えている。複雑な家庭の事情と事件が絡み合っていくのですが...比留刑事の公私混同をした行き過ぎた行動や娘の父への態度に疑問を持ち、ご都合主義な展開、強引な人間関係の繋がりに、辟易してしまいました。『看守の流儀』がとても面白かったので、著者の警察小説を手にしたのですが、疾走感のある骨太な警察小説に期待をし過ぎたのかもしれません。
ところで「ダブルバインド」（二重拘束）とは、２つの矛盾した命令を他人にすることで相手の精神にストレスがかかる状態だそうです。２つのタスクを同時にこなせず、行動と選択を見失う。。仕事や家事をしていると余計な用事を押し付けられること多々..常にダブルバインド状態だわ。気をつけないと。
