みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『看守の流儀』 城山 真一

 

看守の流儀

看守の流儀

  • 作者:城山 真一
  • 発売日: 2019/12/09
  • メディア: 単行本
 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

刑務所、そこは更生の最後の砦―。シャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く場で起きた五つの事件。仮出所した模範囚の失踪、暴力団から足を洗う“Gとれ”中に起きた入試問題流出事件など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。『このミス』大賞受賞作家、渾身の一作!刑務所を舞台に描く重厚な人間ドラマ。

【感想】

タイトルの刑務所用語にまつわる五つのミステリー。専門用語、何かに役立つかなぁ笑

「ヨンピン」服役期間の四分の一を残して仮出所する模範囚。「Gトレ」暴力団が受ける更生プログラム。「レッドゾーン」高齢の受刑者の終の住処。「ガラ受け」受刑者の身柄を引き受ける家族や後見人。「お礼参り」...恨みを持つ警察関係者への報復行為。


刑務官と受刑者の絆、更生の難しさ、高齢者受刑者への介護、受刑者の家族など刑務所で起こる様々な難題、看守のお仕事、内情、受刑者への心情...どれも興味深く、読み応えがあり、楽しめました!

一番興味深いのが刑務官や特別待遇受刑者・三上順太郎(人気歌手)から語られる謎に満ちたエリート刑務官・火石司。整った顔立ちには大きな傷があり、頭が切れ、洞察力に優れ、誰もが一目置く存在。刑務官と距離を保ちながら、裏でさりげなく解決に導く「火石マジック」まさにマジック‼︎驚きの真相‼︎気持ちよく騙されました。見事に騙されて、読み返さずにはいられない笑。面白かった〜(*^^*)