みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『佐渡の三人』 長嶋 有

 

佐渡の三人 (講談社文庫)

佐渡の三人 (講談社文庫)

  • 作者:長嶋 有
  • 発売日: 2015/12/15
  • メディア: 文庫
 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

物書きの「私」は、ひきこもりの弟、古道具屋の父とともに佐渡への旅に出る。目的は、祖父母の隣家に住む「おばちゃん」の骨を、郷里の墓に納骨すること。ところが、骨壷をユニクロの袋に入れて運ぶくらい儀礼に構わぬ一族のこと、旅は最初から迷走気味で…。ちょっとズレた家族をしみじみ描いた快作。

【感想】

作家をしている道子が親戚を亡くし、佐渡へ納骨をしに行く連作短編集。

納骨や戒名や介護やお通夜...しめやかになりがちなテーマですが、道子の独特な視点や軽やかな文体でコミカルに描かれています。飄々とした親戚たちのゆるゆるっとした関係性や、道子を「先生」と呼ぶひきこもりの弟との会話のズレがなんとも可笑しい。納骨料を渡すタイミングや、戒名の付け方やお値段、親戚との微妙な空気とか...不明瞭で曖昧な事を流れで済ましてしまうこともわかる。。道子が思う将来への不安...遺された者たちも老いる現実。納骨へ行く度に疲れを知る身体...いつかは納骨される側に...。最後の「旅人」で佐渡の美しい星空の下で交わされる姉弟の会話。身内の事に気を揉みながら、ずっと生きていくんだなぁと...少しだけしみじみ。。読み終われば、佐渡の魅力に引き込まれていた。元気なうちに佐渡に飛んで行きたい。いやいやジェットフォイルに乗って行きたいなぁ🛳💨(←気になって、動画を見ました笑)

 

『暗黒の羊』 美輪 和音

 

暗黒の羊 強欲な羊 (創元推理文庫)

暗黒の羊 強欲な羊 (創元推理文庫)

  • 作者:美輪 和音
  • 発売日: 2020/05/09
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

事故や通り魔などの過激な動画投稿がやめられなくなり暴走していく女。仲間外れになることを恐れ、同級生の死を願う女子高校生。マンションの隣人に執着し、混迷を深める女…。腹黒い女たちの運命が交錯し、絡み合う。その影に蠢くのは、“羊目の女”なのか―。かつて美人姉妹が殺し合ったという、いわくつきの洋館から生まれる恐怖の連鎖は続く。悪意と企みに満ちた連作集。

【感想】

かつて殺し合った美人姉妹が住んでいた洋館。羊のような目をした女が何人もの男の足を切断し地下牢に監禁していた。羊目の女に殺して欲しい相手の名を3回唱えると一週間以内に足を切断され、殺される。。前作『強欲な羊』(→『強欲な羊』 美輪 和音 - みみの無趣味な故に・・・参照)から七年後...またも都市伝説を信じ、廃墟と化した洋館に訪れる人たちの暗黒の世界。

 

「炎上する羊」

料理上手で優しく、おっとりとした愛らしい妻が事故現場を目撃。偶然撮影していた事故現場の動画をSNSに投稿し、思わぬ反響に...過激な動画を上げていく妻は徐々に暴走化していく...。(SNSの承認欲求...命を失う人もいるらしいね。。ほどほどに楽しみましょう。)

「暗黒の羊」

ダンス部の部長が拉致されたが、無事保護。この事件を引き金に、女子達の間で不穏な動きが...。(都市伝説に踊られされるお年頃。少女特有の悪意にはイヤ〜な気分にさせられるわ。)

「病んだ羊、あるいは狡猾な羊」

マンションの隣人・灰原詩織がある日忽然と姿を消した。詩織が「あの人は夫ではない。全然知らない男だ」と助けを求められた私は、隣人夫婦を調べ始める...。(複雑狂気...妄想性人物誤認症候群...身近な人が偽物に入れ替わってると思い込む精神疾患...あるいは誰かが知らない人物に変装していると確信する精神疾患。。思い込みが真実という恐怖。)

「不寛容な羊」

雪山で遭難した男がたどり着いた家。老人と女性3人と女の子1人が住んでいる。男は過去の監禁王子の父と被害者たちと確信する。(前回の『強欲な羊』の「ストックホルム症候群」のその後です。女性達が更に逞しくなってる笑)

「因果な羊」

不動産業に勤める果歩子。いわくつきの洋館の担当になり、高校時代の演劇部の先輩・真行寺を連れ、十七年ぶりに再訪した。あの頃、二人で唱えた人物の死。すべては因果で繋がっている...。(全ての物語も繋がっています)

 

憎しみ、怨み、怒り、妬み、僻み、怖れ、嫌悪、執着、敵意、不信、絶望....負の感情が渦巻く館。。怖い(><)。。なるべく穏便に生きましょう。

『風が強く吹いている』 三浦 しをん

 

風が強く吹いている

風が強く吹いている

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何?走るってどういうことなんだ?十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく…風を感じて、走れ!「速く」ではなく「強く」―純度100パーセントの疾走青春小説。

【感想】

再読。。竹青荘図を見て、懐かしさにホロリ(;_;)。。物語が始まる前から泣いて..最後は涙が枯れちゃうかもしれない。。初めて箱根駅伝を見ながら読みました。感動の波が何度も押し寄せ、ハイジたちを応援し、走っている選手たちを応援し、新年早々熱くさせてくれる。

孤独で過酷で苦しくて..それでもなぜ走るのか?天才と素人軍団のチームが目指す箱根駅伝。ハイジの奮い立たせる言葉に反発し合いながらも成長をしていく彼らがなんて魅力的なんだろうと再読して改めて思いました。王子の頑張り(王子の初ラン記録5000m33秒...わたしは38秒。勇気をもらうよ笑)に、またまた胸打たれたけど、今回はクールなユキ(6区..箱根の山..下りの難しさ..かっこいいの)と発熱の神童(5区..箱根の山..上り..過酷なコースを走り切る)の凄さに感動したよ。泣いた泣いた。涙が止まらないわ。。悔しさも喜びも共に味わう駅伝の魅力が詰まった一冊..最高❣️

走ることを楽しむ...わたしも胸に留めて。
今年の箱根も風が強く吹いてましたね。全力で走り抜いた選手たち、たくさんの感動を与えてくれました。おつかれさまです。みんなかっこいいよ🏃‍♂️💕

『忘れられたワルツ』 絲山 秋子

 

忘れられたワルツ

忘れられたワルツ

  • 作者:絲山 秋子
  • 発売日: 2013/04/26
  • メディア: 単行本
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

地震計を見つめる旧友と過ごす、海辺の静かな一夜(「強震モニタ走馬燈」)、豪雪のハイウェイで出会った、オーロラを運ぶ女(「葬式とオーロラ」)、空に音符を投げる預言者が奏でる、未来のメロディー(「ニイタカヤマノボレ」)、母の間男を追って、ピアノ部屋から飛び出した姉の行方(「忘れられたワルツ」)、女装する老人と、彼を見下ろす神様の人知れぬ懊悩(「神と増田喜十郎」)他二篇。「今」を描き出す想像力の最先端七篇。

【感想】

震災の影響を受けた人々のその後の日常が描かれているのだと思います。。掴みどころがない独特な短編集でしたが、以前のように戻れない..変わってしまったことを淡々と過ごす日常の中で受け止めているような...うっすらとした闇に包まれている不思議さが漂っています。

 

「恋愛雑用論」

恋愛とはすなわち雑用である。不要ではなく雑用である...小さな工務店で働く女性の恋愛論。

「強震モニタ走馬灯」

静かな海沿いに住む旧友・魚住の家に訪れた井手。魚住が夢中になっているのは強震モニタ。地震計の揺れを必死に見つめる魚住と美人の悩みを抱え苦しむ井手が過ごす一夜。

「葬式とオーロラ」

小学校の恩師のお葬式に向かい、豪雪の高速道路を走る。サービスエリアで出会ったオーロラを運ぶ女性に「冬の大感謝スタンプラリー」を勧められる。

「ニイタカヤマノボレ」

親戚から変わり者と思われている峰夫。巨大な鉄塔で出会った空に音符を奏でる女性は未来を予言できる預言者だった。自分の未来を聞くと「ろくな死に方をしない」と言われ、ろくでもない死に方をした。

「NR」

ホワイトボードにNR(ノーリターン)と書き込み、取引先の会社に向かう上司と部下。電車が向かう先に違和感が...どこに辿り着くのか...NR...?

「忘れられたワルツ」

姉のピアノを弾くのを見ているのが好きな風花。母の浮気相手を見つけたとピアノ部屋から出て行った姉。痒みの発作で苦しむ風花。飼育してる爬虫類に母の名前を付ける父。姉の行方が気になる風花。痒みが増してくる。(変わった家族ではあるが、不在母の存在感の濃さにじわじわ違和感を感じ、母の喪失感に気づくと物哀しくなる)

「神と増田喜十郎」

女装をしている増田喜十郎(推定70代)は横断歩道で神とすれ違った。人々を見下ろす神様はいつもそこにいた。

(神さまはいつもそばにいる。苦しんでいる人と共にいる。しかし誰も助けない。誰も救わない。神は詫びる。救えないことを。神は知っている。この世界は一本のタバコに過ぎない。神のストックは無限にあるのだ...神様は飄々と淡々と世界を眺めてる。女装をしてる老人とすれ違っても...)

 

人がふつうに生きていくことについて正しく話せる人がいるのか。世の中は悲しみで満ちている。違和感で溢れてる。。日常に自然と溶け込んで、いつのまにか染み込んで...表題作の家族は狂ってしまったのかもしれないけど、彼らの日常はずっと続く。。淡々と喪失感を描いた短編集に少しざわついてます。

『凶犬の眼』 柚月 裕子

 

凶犬の眼 「孤狼の血」シリーズ (角川文庫)

凶犬の眼 「孤狼の血」シリーズ (角川文庫)

  • 作者:柚月裕子
  • 発売日: 2020/03/24
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

捜査のためなら、俺は外道にでもなる。

所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛郎だと確信する。彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく……。

警察vsヤクザの意地と誇りを賭けた、狂熱の物語。

【感想】

孤狼シリーズ第二弾。

冒頭とある刑務所の面会室で意味深な会話。不穏な空気が流れる始まり。前作で大上刑事(ガミさん)の下に配属された日岡秀一(『狐狼の血』 柚月 裕子 - みみの無趣味な故に・・・参照)が、ガミさんの強い信念を引き継ぎ、暴力団の捜査にどう関わるのかと思いきや、、田舎の駐在所に異動してる。のんびりゆったり...住民と穏やかな交流..事件もなく、ひたすら平和が続く刺激なき世界。大阪で起きた史上最悪の暴力団抗争を追う週刊誌の連載記事を読み、虚しく過ごす日岡刑事。。そんな平和な町に現れたのが、敵対する組長を暗殺した指名手配犯の国光寛郎。。穏やかな田舎で、悟られないように独自捜査をする日岡刑事の緊迫感。。まだやることが残っているから、もう少し時間がほしいと告げる国光の「やらねばなこと」...何だろ?気になる。。日岡刑事の世間では駐在さん、裏ではマル暴刑事...このギャップがいい。。日岡刑事に憧れる女子高生・祥子。多感な少女の心の揺らぎもとても良かった。

詳しくは書けないけど日岡刑事と国光の間で驚きの事が起こり..少々心配な展開に。前作ではガミさんの信念、今作では国光の仁義。。二人から日岡刑事は大きな影響を与えられる。正義と仁義...葛藤を超え、人として深みを増す日岡刑事。次回作も大きな期待をしてます。。それにしてもヤクザの世界は複雑な構造でほぼ理解できてない。。誰が悪者なのかもよくわからない笑。。でも魅力的な人はどんな世界でも惹かれていきます(←危険)。。冒頭の会話が胸にグッと突く。北の地に想いを馳せるわ。

『妻の超然』 絲山 秋子

 

妻の超然

妻の超然

  • 作者:絲山秋子
  • 発売日: 2013/04/12
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

結婚して十年。夫婦関係はとうに冷めていた。夫の浮気に気づいても理津子は超然としていられるはずだった(「妻の超然」)。九州男児なのに下戸の僕は、NPO活動を強要する酒好きの彼女に罵倒される(「下戸の超然」)。腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴。「文学の終焉」を予兆する凶悪な問題作(「作家の超然」)。
 三つの都市を舞台に「超然」とは何かを問う傑作中編集。

【感想】

「妻の超然」妻視点が面白い。年下の浮気夫を手の平で遊ばせている妻。。妻と夫の関係は冷めても妻は夫を観察している。心の毒舌にクスクスしちゃう。。何度も繰り返す夫の浮気...バカらしいと呆れてはいるが、理解もしている。夫の寝言に笑う妻。。確かに笑える...どことなく妻に共感してしまうわたしも超然としてるのかなぁ笑。

「下戸の超然」九州男児の広生は自分のことを「僕」と呼び、下戸。九州では女々しいと言われてしまう。。つくばの職場で恋に落ちた彼女は酒好き。恋人関係となり、幸せな二人の間に小さな摩擦が...下戸男と酒飲み女の出会いから別れまで短い物語の中で描かれています。下戸の生きづらさ。。理解し合う難しさ。。この話が一番面白かった。ちなみにお酒大好き笑。

「作家の超然」これはとても哲学的で一番難しかった物語。「文学がなんであったとしても、化け物だったとしても、おまえは超然とするほかないではないか。」手術の為に入院した作家が仕事から離れ、ベッドの上で文学に対して超然とするべきではないか?と苦悩しているが...人として一番超然としているように思える。


初めての絲山作品。「超然」がテーマなので、我関せずで達観している主人公たちではあるが、人との関わりで超然から、いつのまにか空回りになることも...絲山さんの言葉の説得力は凄いです。独特な表現で表す複雑心理...楽しく読めました。他作品も読みたいです。

『オリゴ・モリソヴナの反語法』 米原 万里

 

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

  • 作者:米原万里
  • 発売日: 2015/01/09
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

ロシア語通訳の第一人者としても、またエッセイストとしても活躍している米原万里がはじめて書いた長編小説である。第13回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した。

1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。老女だが踊りは天才的。彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。だが、その行動には謎も多かった。あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。

【感想】

読むのにとても時間がかかりました。。ロシアの人名が頭に入りにくい。登場人物はそんなに多くないのだけど、同一人物が事情により、複数の名前を持つ事や愛称?が飛び交うと混乱が巻き起こる。。挫折するかも....と不安と困難を乗り越え(←覚えが悪いだけ)、最後まで読んだ感想は..「読んでよかった」の一言に尽きます。

 

1960年代のチェコ、プラハ。日本人留学生の弘世志摩(通称シーマチカ)が通うソビエトの小学校の舞踊教師オリガ・モリソヴナは、その卓越した舞踊技術だけでなく、どぎつい罵り言葉で生徒に叱咤する「反語法」と呼ばれる独特の言葉遣いで学校内で人気者だった。そしてオリガと仲良しのフランス語教師エレオノーラ・ミハイロヴナは古風で美しい言葉遣いと貴族のような上品な立ち振る舞いで生徒たちから注目の的に...。オリガを慕う志摩はやがて彼女の過去には深い謎が秘められているらしいと気づく。

翻訳者となった志摩が1992年ソ連崩壊直後のモスクワで、かつての同級生エカテリーナ・ザペワーロワ(通称カーチャ)と再会し、劇場ダンサー・ナターシャとオリガの謎を解くために過去を探っていく...。ソ連の悪しき時代の犠牲者となる民衆の悲劇。スパイ疑惑のある夫を持つ妻たちの強制収容所での過酷労働。強制収容所にいた女性の手記は残酷な運命の数々が記されていますが、朗読や歌で癒され、お互いを励まし合い、自由なき時代で希望を捨てずに生きる姿に女性の真の強さが伺えます。。スターリン時代からフルシチョフ時代、、ソ連崩壊、現代の荒廃したロシアまでの歴史が描かれています。暗黒な時代に翻弄される中、シーマチカの生き生きとした子供時代が物語に彩りを与えてくれます。。オリガたちは子供たちとの平和な世界を守りたいと願っていたはず。

通訳や言語のエッセイを綴る米原さんらしい小説。エッセイでも書かれていますが、ロシア語は世界一罵詈雑言が多い言語だそうです。オリガの罵詈雑言は書くことが躊躇われる程、下品です笑。しかし、夢を諦め、命がいつ果てるかもわからない過酷な状況でも生き甲斐を持ち、仲間を守り、明るく前向きに生き抜く姿が凛々しく、逞しく、美しい。オリガが収容所生活を終え、チェコでの新たな生活を始めた時、複数の鏡を貼り付けた部屋で泣きながら踊ったシーンに涙しました。悔しかっただろうなぁ。。容姿も踊りの技術も衰えて嘆くオリガの再起する瞬間に力の漲りを感じます。

スターリンの恐怖政治を体験した人々たちの波瀾万丈に挫折するかもしれないという気持ちは全く払拭され、いつのまにか物語に引き込まれていました。師走に今年のマイベスト上位本が舞い込んできたよ❣️