みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『夜の木の下で』 湯本 香樹実

 

夜の木の下で (新潮文庫)

夜の木の下で (新潮文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

話したかったことと、話せなかったこと。はじめての秘密。ゆれ惑う仄かなエロス。つないだ手の先の安堵と信頼。生と死のあわい。読み進めるにつれ、あざやかに呼び覚まされる記憶。静かに語られる物語に深く心を揺さぶられる、極上の傑作小説集。

 

【感想】

初めての作家さん。静かな世界観が好きです。

大人となった今、、過去の輝きではない苦みを振り返る時間。。。切ない短編集でしたが、射し込む光がほのかながらに強さを感じました。。死の漂いで心の奥底にある痛みを抱えながら希望を見出す。。生の繊細さがとても感じられます。。

誰かのことを思い出すこと。。誰かの思い出の中でいられること。。淡い思い出が鮮明に蘇る時間はたとえ苦しくても自分にとって必要な時間なんだなぁと思いました。

 

慌ただしい年の瀬に読んで思ったこと。。静かな空間で一人になって読みたい一冊。。周りに誰かがいると少し気持ちがはやってしまう。。静かな環境だったら、もう少し繊細に読み取れたかもしれない。。笑