おすすめ ★★★★☆
【内容紹介】
年を重ねるということは、おなじ相手に、何回も、出会いなおすということだ。出会い、別れ、再会、また別れ―。人は会うたびに知らない顔を見せ、立体的になる。人生の特別な瞬間を凝縮した、名手による珠玉の六編。
【感想】
「出会いなおし」昔の仕事のパートナーとの出会い、別れ、再会、また別れ。。新たな再会。(「出会いなおし」という言葉が凄く良い❣️)
「カブとセロリの塩昆布サラダ」50代主婦がデパ地下でカブとセロリの塩昆布サラダ購入。カブがダイコンである事に驚き、お店に電話。若い店員の態度に憤慨するが...。
(面白かった。折り返し連絡待ちをしてる時の主婦の揺るぎない料理への自信とカブ料理の数々には笑った。店員と客という刹那的な出会いだけど、心に深く刻まれるエピソードってあるね)
「ママ」夫の亡き母。ムーミンママのような心を癒してくれる義母の思い出話が大好きな妻はある事実を知り、幼子を連れて家を出る。
(不思議な話だった。傷ついた人間の側にはムーミンママが必要なんだろうね。。スナフキンでもミィでもなく。。)
「むすびめ」小学校の同窓会。クラスの思い出作りで起きた、ある出来事。心にひっかかる忘れられない思い出。
(幼少時の恥ずかしい思い出って小さなトゲのように、たまにチクッと痛む)
「テールライト」世界各地のあらゆる時代の様々な縁や繋がりが印象深いお話。
(自分のこと以上に幸せを祈りたい誰かがいるって最高の幸せなんだろうなぁ)
「青空」妻を亡くした夫。母を失った息子。傷ついた父子のドライブで不思議な奇跡が...。
(この話はじんわりした。。晴れやかなラストで良かった(;_;)ガンバレ)
これからの出会い、再会を楽しみたいと思う。自分も誰かも(まだ出会えぬ誰かも)、日々変化してるからこそ、新しい発見や意外な事実に驚きもあり、楽しみもあり、また少し形を変えていく。。森絵都さんの言葉、表現は惹かれるものがある。