みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ツォツィ』

 

ツォツィ プレミアム・エディション(2枚組) [DVD]

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 おすすめ ★☆

 

【STORY】

南アフリカヨハネスブルグ。世界で一番危険なスラム。アパルトヘイトの爪跡が今も残る街に生きる一人の少年。本名は誰も知らない。ツォツィ=不良(ギャング・犯罪者を表すスラング)と呼ばれるその少年は仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸に日々を生き延びていた。名前を捨て、辛い過去を封印し、未来から目をそらし・・・。しかし、ある出逢いによって、ツォツィの人生は大きく変わり始める。奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊。生まれたばかりの小さな命に、ツォツィの封印していた様々な記憶を呼び覚まされていく。やがてツォツィは「生きること」の意味や命の価値に気づき
、希望と償いの道を歩み始める。

 

幼少時代の家庭環境に絶望し、外に飛び出しスラム街で生きる少年ツォツィ。窃盗を繰り返し、生活していく。そんな生き方しかできないツォツィ。ある日盗んだ車の中に生後数ヶ月の赤ちゃんが。。この出会いが彼の人生を大きく変える事に。

とても赤ちゃんを育てる環境ではなく、育て方すらわからないツォツィが彼なりに赤ちゃんを育てようとしている場面は少しだけ微笑ましい(育児シーンは窃盗シーンよりもドキドキハラハラするよ)。。。でも現実問題、育てる事は不可能で、解決方法を見つけようと戸惑い続ける。結果的には窃盗しか思いつかない彼に苦笑いの連発だったのだが、、、赤ちゃんを通して、過去を振り返り、人生のやり直しをしようとするツォツィ。ラスト、彼の更生へのたったひとつの道。

うん。良かった。と思いたい。

 

『Mommy』

 

 

 おすすめ ★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

とある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。2ヶ月後、内閣はS18法案を可決。公共医療政策の改正が目的である。中でも特に議論を呼んだのは、S-14法案だった。発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律である。ダイアン・デュプレの運命は、この法律により大きく左右されることに…。

 

多動性障害のスティーヴと母ダイアンと近所に住む緘黙症の女性カイラ(元教師だが、時折声を出せない傷害の為、働く事ができない)

問題を起こすスティーヴに頭を抱える母。その二人の生活を変えたのがカイラの存在。スティーヴの家庭教師をしながら、親子と良い関係を築いていく。順調に過ごしていた3人の元に1枚の訴状が。。。ここから過酷な選択をしなければならくなる。。。前回『マイ・マザー』を観て思ったが、親子愛というのはとても微妙でお互いのことを思えば思うほど、苦しみ悩み、壁のぶつかりあいの連続。母親は少しでも「希望」があるなら過酷な試練も乗り越えないとならないのね。グザヴィエ・ドラン監督の映画2作目。わたしは前回の『マイ・マザー』の方が良かったです。

『マイ・マザー』

 

マイ・マザー Blu-ray

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 おすすめ 

 

<ストーリー>
僕はユベール・ミネリ、17歳。ケベック州のなんでもない町で、他の誰とも変わらない退屈な青春の日々を送っている。最近ひとつだけ、どうしても許せないものがある。趣味の悪いセーター、貧乏臭い部屋のインテリア、食べかすだらけで小言しか言わないやかましい口元まで、なにもかもが耐えられない存在 ―? 僕の母親だ。「なぜこんなにも受入れがたい存在なのか」、僕は自問する。人は「親は敬うべきだ」と言うが、僕には理解できない。僕は息子に向いてないのかもしれない。あの母親の根っこには、他人への愛を素直に表現できない矛盾した人間性が脈々と流れているに違いない。うるさく僕をコントロールしたがる母、次の瞬間には罪悪感を覚える母。そんな不安定な感情を持て余し、行きどころを失くして僕にぶつけてくるのだ。そんなものに付き合っていられるか。ユベールは、毎日この欠陥だらけの母親の愛情過多と愛情不足の矛盾に振り回され、かつては大好きだった母への憎悪が膨らみ、制御しきれずにいる。ヒリヒリするティーンエイジャーならではの「理由(ルビ:わけ)のない苛立ち」に耐える日々に嫌気がさしているユベールは、ある日偶然に、幼いころから親しんだセント・ローレンス川沿いの真っ赤な夕陽の下、母親が土手に腰掛けているのを見かける。野カモの群れの神秘的な声があたりに響いている。不意にひとときの安らぎを覚えるユベール。それはイノセントでただひたすら楽しかった昔の情景だった……。幼少時代へのノスタルジーに、不器用に折り合いを付けようともがく少年ユベールの決別のとき。17歳、僕は、母を、殺した――。

 

17歳、僕は、母を、殺した。。。とても衝撃的な言葉。母と息子の確執。ユベールは母をとても愛してる。もちろん母も。愛情が深い故にどうしても許せない母親への嫌悪感。途中、ユベールが母に対する想いを独白するシーンが入る。この孤独なユベールにとても泣けてくる。かけがえのない大切なものだからこそ、傷つけてしまうほど自分も大きな傷になる。お互いが想い合ってるのに止まらない傷の付け合い。「ママと仲良くなりたい!!」って苦しむ息子といい母親になろうとしているが空回りをする母親。これはとてもリアルな母と息子の関係性だと思う。

私にも16歳の息子がいる。反抗らしい事がなく、穏やかに過ごしたが「もっと母親らしく躾けてほしい。」と言われたことがある笑。。。。わたしは人を教育することに欠けている所があり、自分に自信がない。情けないと思う事もあったが、母親らしさって何?息子の理想の母親って?と悩んでみても答えがわからない。ごめんなさい。少しずつがんばります。

 

最初から最後までとても苦しい映画だったけど、観て良かった。映像も音楽も美しい。

いつまでも可愛い子供でいるわけではない。大人になるまでの通過点とはいえ、親子関係はとても重く深い事なのね。

「今日、僕が死んだら?」「明日、わたしも死ぬわ」

永遠のテーマ。。。死ぬまでわからないわ。。。

 

『欲望という名の電車』

 

 おすすめ ★☆

 

【あらすじ】
父の死と共に南部の家を失ったブランチは、落ちぶれた人生を歩んでいた。ある日、妹夫婦を頼りに、Desire(欲望通り行き)と表示された路面電車に乗り、ニューオーリンズにやって来る。そこには、妹ステラとその夫スタンリーが二間の小さなアパートに暮らしていた。 ブランチは、カードと酒に狂っては妹のステラに暴力を振るうスタンリーに憤る。一方、スタンリーは、貴婦人気取りのブランチの行動がいちいち気に障る。二人の間に挟まれた妹ステラは、野蛮だが自分を強く愛してくれるスタンリーから離れられず、子供さえ身ごもっていた。
心の平静を失いかけながらも、スタンリーの同僚であるミッチとの結婚に望みをかけるブランチだが、ミッチにその過去を知られてしまい、ブランチの精神は崩壊する。

 

チョコレートコスモス』を読む為に観た映画。とても面白かった。ヴィヴィアン演じるブランチが過去の自分と老いていく自分の恐怖に精神崩壊していく様がホラー並みに怖かった。

『マイノリティ・リポート』

 
<ストーリー>
西暦2054年、ワシントンDC。政府は膨大な凶悪犯罪を防ぐ策として、ある画期的な方法を開発し、大きな成果をあげていた。それは、予知能力者を利用して凶悪犯罪が起こる前に犯人を逮捕してしまうというシステムであった。このシステムのお陰でワシントンDCの犯罪件数は激減、将来的にはアメリカ全土で採用されるべく準備が整えられていた。そんなある日、このシステムを管理する犯罪予防局のチーフ、ジョン・アンダートンが“36時間後に見ず知らずの他人を殺害する"と予知され、告発されてしまう。追う立場が一転して追われる立場になったジョンは、自らの容疑を晴らそうと奔走するのだが、彼は既に大きな陰謀に巻き込まれていたのだった……。
 

最近は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界が‼︎と、世間では未来の可能性に盛り上がりを見せていた中、この映画も少し話題になっていて、観てみました。

 
色々と欲しい物(運転しなくてもいい車からの玄関一体型はいいな)や微妙な物(声に反応するライトって現代もあるの?いらない)まで内容より未来グッズに興味を馳せながら鑑賞。
もちろんストーリーも真剣に観ました。未来予知犯罪防止システムとやらのおかげで殺人犯罪低下の世の中になった世界。アガサを含む三人の能力者が未来を映像化し、犯罪が起きる前に逮捕。犯罪者はヘンテコな装置を頭に付けられ収容所で漬物のように保管。。。怖っ‼︎
システム阻止する側と守る側との攻防から色んな事実が、、、とざっくり内容振り返り。。。
ふと疑問。軽犯罪的な物はスルーなのかしら。殺意はあるが、行動までいかず、でも常にそいつに恨み辛みがある無計画殺人一歩手前は感知されないのかな。計画犯罪は予知するらしい。。と、細かい事は気にしないで。。か。
 
世の中に話を戻すが、街歩いても網膜感知され、どの場所でも監視される世界(人の目が高価格で裏売買されてそう)。。防犯カメラだらけでプライバシーなんてないに等しい現代(犯罪抑止には賛成)だけど、未来はお店に入っても街中でもモニターから名前を呼ばれ、話しかけられる。。ウザい(笑)
どうでもよいが、衣食住があまり変わらないのね。。まだ傘が必要なの⁉︎と、そこ重視ではないからと思いつつ、未来型に囚われすぎて、つっこみ所満載の映画にしてしまった。
さて、本編最大のテーマ「未来は変えられるか?」
ラストまで普通に楽しめた。

『白ゆき姫殺人事件』

 

白ゆき姫殺人事件 [DVD]

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おすすめ ★☆☆

 

【ストーリー】
国定公園・しぐれ谷で誰もが認める美人OLが惨殺された。
全身をめった刺しにされ、その後、火をつけられた不可解な殺人事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まる。彼女の名前は城野美姫(井上真央)。同期入社した被害者の三木典子(菜々緒)とは対照的に地味で特徴のないOLだ。テレビ局でワイドショーを制作するディレクター・赤星雄治(綾野剛)は、彼女の行動に疑問を抱き、その足取りを追いかける。取材を通じてさまざまな噂を語り始める、美姫の同僚・同級生・家族・故郷の人々。「城野さんは典子さんに付き合っていた人を取られた……押さえていたものが爆発したんだと思う、あの事件の夜」「小学生の頃、よく呪いの儀式をやってたって。被害者の殺され方が呪いの儀式と同じでしょう?」「彼女が犯人です、間違いありません! 」
テレビ報道は過熱し、ネットは炎上。噂が噂を呼び、口コミの恐怖は広がっていく。
果たして城野美姫は残忍な魔女なのか? それとも──。

 

原作の湊かなえ『告白』ともう1冊(タイトル忘れるくらい面白くなかった)しか読んでないので、湊作品は意識的に敬遠していました。が、原作より映画の方が面白いと聞き、珍しい事もあるんだ?と早速観てみた。ダメ人間過ぎのどうしようもない男・赤星を演じた綾野剛、すごく良かった。本当にどうしようもない。ところでネット炎上って所はよくわからなかった。そもそも盛り上がることを炎上というのだろうか?ふと思ったけどTwitterのつぶやき?が『電車男』みたいな事になってたけど、よく考えるとあれもかなり無責任だな。人の恋を応援して盛り上がっちゃって。あれも炎上ってこと?

私的の悪は城野美姫の大学の友人(ネットでフルネーム書き込むのダメ、人のセッ〇スを聞いちゃダメ)と城野母(なんとなくダメ、謝ってもダメ)と城野美姫(独占欲強くてダメ、呪いの儀式だからって火遊びはダメ、利用されてダメ)の3人でした。

暇つぶしにはとっても良い映画でした。

岩井志摩子の「事実は1つだけど、真実は人の数だけある」という言葉を思い出しました。

『ジュラシックワールド』


映画『ジュラシック・ワールド』第1弾日本版予告編 - YouTube

 

ジュラシックパーク』から何年経ったのかは不明だけど、内容なんて考えないで楽しめる映画だということに変わりはない。もし内容を重視したいなら他の映画を見た方が良い。Tレックス最強はこだわりがあるのかな。『ジュラシックパーク』と内容が被る点が多いけど、そんなことは気にしないで恐竜の世界を楽しもう。