みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画の感想を書いてます。

『夏の庭』 湯本 香樹実

 

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

この世界には隠れているもの、見えないものがいっぱいあるんだろう。

死への興味から、生ける屍のような老人を「観察」し始めた少年たち。いつしか双方の間に、深く不思議な交流が生まれるのだが……。

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……。喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。

 

【感想】

わたしも幼少期に「人が死ぬこと」を考え、命についてはよくわからないけど、、日々の生活の終わり、この世から存在が消えること、そもそも自分って存在してるの?といつも答えのない事にを漠然と不安を感じていたことを思い出します。。子供の世界は狭く、経験が浅いので、未知なる物への興味、好奇心が想像の世界で膨れ上がっていくのでしょうね。。この物語は、、想像では収まらず、、実際に「死ぬ人」を観察していこう!と思い立ち、行動する話。。もうすぐ死ぬだろうと予想されるおじいさんの観察...。子供の発想や好奇心というのは時に無邪気で残酷ね...と、妙に納得。。死にそうな人を見つけてくる所もすごい。。3人はもちろん、おじいさんに怒られる。。そりゃそうだ笑。。でもめげずに、見張る(ここが男の子らしいね)。。おじいさんも観察されることを楽しみだし、会話をし、生活をし、交流を深めていく。。この奇妙な「おじいさん観察」がおじいさんと3人の日常に生命の活力を生み出していき、、学校や親には教えてもらえない大切な事を学ぶ。。初めての死に直面した子供たちの悲しみの深さには胸打たれる。。いつまでも続くと思っていたおじいさんとの時間。。永遠はない。。瑞々しい夏が終わり、静かに秋が過ぎ、冬になる頃、3人は別々の道を歩んでいく。。弱気で怖がりだった夏の頃の3人がちょっと大人になってる。。おじいさんの庭で過ごした時間は人生において短い瞬間だけど、、とても濃い貴重な時間。。子供は大人が思ってる以上に観察し、たくさんの事を感じ取り、知らぬ間に成長しているんだと、、短い物語でしたが、子供心に触れ、わたしもほんの少し成長した気がします。。ただ今、わたしの末っ子6年男児。。反抗期真っ只中。。読ませたいわ📖✨