みみの無趣味な故に・・・

読書、映画、ネット。。。。インドアな日々を書いてます

『七月の流れる花』  恩田 陸

 

七月に流れる花 (ミステリーランド)

七月に流れる花 (ミステリーランド)

 

 おすすめ ★★★☆☆

 

七月の終業式。。ミチルの背後を追いかけるみどりおとこ。。いつのまにか姿を消したみどりおとこの代わりに、、封筒を手にする。。
「大木ミチル様 あなたは夏流城(かなしろ)での林間学校に参加しなければなりません」

ミチルの参加した林間学校。。。そこで出会う6人の少女たち。。外界から隔離された不思議な共同生活。。「帰宅」の選択権はない。。謎のルール。。穏やかに時が進んでいくうちに、、1人の少女が失踪する。。林間学校の隠された謎は?みどりおとこの正体は?
夏流城。。「あれが、あたしたちの、、淋しいあたしたちの、、お城なの。。」

去年は『蜜蜂と遠雷』(直木賞受賞おめでとうございます)で、、臨場感、高揚感、脳内に響き渡るピアノの音色で、、感動の読後感でした。
その後だったら、、ライト過ぎて、、「うん。。恩田さんらしい不思議なお話でした」、な感想でしたけど、、今、わたしの心の中が不安定なので、、思いの外、、入り込んでしまいました。。
ミチルの、、ついさっきまで変わらない日常(非日常の世界ではあるが、人間は慣れるので)が少女失踪から、、見えていた世界がたちまち変わる。。わかります。。ほんとに些細なきっかけで、、ガラリと風景が変わる。。友達の顔色も変わる。。世界が一転する瞬間。。この本を読んで、、じわじわと不協和音が鳴り響いてます。。

『八月は冷たい城』も読みます。。今度。。
1冊2484円は、、高いなぁ。。

『裏閻魔3』 中村 ふみ

 

裏閻魔3 (ゴールデン・エレファント賞)

裏閻魔3 (ゴールデン・エレファント賞)

 

 おすすめ ★★★★★

 

【感想】

不老不死となり、江戸から昭和を生きる閻魔と夜叉の物語もついに最終巻。

江戸幕末、新撰組に密偵として送られ、裏切り者として追われる身となる周(あまね)。瀕死状態の周を助けたのは彫り師・宝生梅倖。。鬼込めという禁忌の墨(閻魔天)を掌に刻まれ不老不死の身体になる。梅倖の元で彫り師の修行をし、周から「宝生閻魔」として生きる(この瞬間、めちゃかっこいい💕)
閻魔、、鬼と共生しながら、、人間として生きた男。。弱気な心を持つ反面、鬼に喰われない強い意志を持つ苦悩な男。男女問わず、惚れられるサムライ。。かっこよくてかわいい人。そばにいたら惚れちゃうな。その時代のファッションを着こなす閻魔にも、安心しました。

周に関わる登場人物がとても魅力的。
同じ不老不死の兄弟子・宝生夜叉、、誰よりも寂しがりやで愛されたい人。助けてあげてほしい。死んでほしくない(死なない身体とはいえ、、死にそう)

周を生涯愛し続ける奈津。閻魔を支援し続ける牟田信正と養女・惠子。不老不死の調査をする進駐軍兵士・ロブ。閻魔の飼い猫ちゃん。。などなど。。

2人の不老不死者の生き様に心打たれながら、、女目線で読んだわたしが胸打つのは奈津と惠子。。閻魔への恋心。叶わぬ想い。最終巻では奈津の手紙で閻魔への想いが綴られる。。愛する男の年齢を超え、年老いていく辛さ。。切ない、痛感する。閻魔から姿を消した奈津の秘密。女として生き続け、女として一生を終わりたい。。強く共感。惠子もまた閻魔を愛する一方で奈津と閻魔の幸せを心から願い、奮闘する。。牟田家の総力をあげて、全面的に協力する心強い女性。。


読み慣れない時代物かと思ったら、激動の時代を駆け巡る愛の物語だった。。一気読み。。わたしも駆け抜けた。楽しかった♪

『裏閻魔2』 中村 ふみ

 

裏閻魔2 (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)

裏閻魔2 (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)

 

 おすすめ ★★★★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

広島で奈津を探すも叶わず、失意のまま東京へ戻ってきた閻魔。その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。一方、不老不死の『鬼込め』を求める者たちは信正に代わり牟田家を継いだ惠子にまで魔の手を伸ばす。死期を悟った信正から、奈津の居所を託された夜叉。自殺者たちの右手に『鬼込め』があることに気づいた閻魔と夜叉は、梅倖にかつて破門された男の弟子を探しはじめる。戦後復興期の日本で閻魔と夜叉が再び出会う。

【感想】
【あとがき】で、作者が続編を「どうするべ」な状態で書いたと。。。「どうするべ」レベルでこの内容。。すごいね。。次巻を読もう。。

『裏閻魔』 中村 ふみ

 

裏閻魔

裏閻魔

 

 おすすめ ★★★★★

 

江戸時代、新撰組に密偵として送られ、裏切り者として追われる身となる周(あまね)。瀕死状態の周を助けたのは彫り師・宝生梅倖。。鬼込めという禁忌の墨(閻魔天)を掌に刻まれ不老不死の身体になる。梅倖の元で彫り師の修行をし、周から「宝生閻魔」として生きる(この瞬間、めちゃかっこいい)倒幕、明治時代へ。愛する女性、同じ運命を背負う兄弟子。江戸から昭和を駆け抜ける2人の鬼と1人の女性。。奈津、、女として耐え抜く強さ。周、、不死の孤独さの故の苦しみと愛する人への想い。。次巻につづく。。

『ちょうちんそで』 江國 香織

 

ちょうちんそで (新潮文庫)

ちょうちんそで (新潮文庫)

 

おすすめ ★★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

いい匂い。あの街の夕方の匂い―。些細なきっかけで、記憶は鮮明に甦る。雛子は「架空の妹」と昔話に興じ、そんな記憶で日常を満たしている。それ以外のすべて―たとえば穿鑿好きの隣人、たとえば息子たち、たとえば「現実の妹」―が心に入り込み、そして心を損なうことを慎重に避けながら。雛子の謎と人々の秘密が重なるとき、浮かぶものとは。心震わす“記憶と愛”の物語。

 

郊外の高齢者向きマンションで一人暮らしをする雛子。50代(若手)。。架空の妹・飴子(音信不通の妹。。妻子持ちと駆け落ち)と過去の記憶を思い耽りながら、常に会話をする。。過去に小人を見た経験あり。。2人の息子の母。。家庭を捨て、男と駆け落ち。最初の夫(長男の父)病死。。2番目の夫(次男の父)健全。。不倫相手自殺。。「男で身を持ち崩す家系」と揶揄。。

物語は、、雛子、マンション住人、2人の息子、イギリスに住む小学三年生の女の子(小人を見た経験あり)の日常を、、それぞれの視点で描かれる。。

しきりに話しかけてくる架空の妹との会話をする無邪気な雛子。。やや冷めた発言をする架空の妹。。2人でいるときの雛子が幼い少女に戻ったように可愛らしい。。孤独なのに、孤独とは感じられない。。ちょくちょく遊びに来る隣人をもてなす雛子と鬱陶しさをストレートに表現する架空の妹。。このやりとりも面白い。。

息子2人の話から、、過去の雛子の生活がわかる。。次男が幼かった時に駆け落ちをした母親への思いは、、長男の方が根深く、、大人になっても許せないでいる。。面会に来ない家族の事を思考から排除するかのように、、架空の妹との暮らしを愉しむ雛子。。次男の訪問に緊張感を走らせながら、、平静を保つ雛子。。

読んでいくうちに、、雛子の苦しみの抱え方が切ない。。どんなに、、幼少の頃の思い出を振り返って楽しんでも、、現実では、妹、子供たちとは向き合えず。。マンションの掲示板に貼られる空き家のリフォームのお知らせ(住人の死を表している)を見るたびに、、死を深く考える。。非現実的に思われる雛子の日常から、、とても厳しい現実を突きつけられ、、ゾワリとする。。

続きがとても気になる終わり方。。もう少し、、雛子を読みたかったなぁ。。
取り戻せないかけがえのないものからの逃避、、高級高齢者向きマンションへの興味(住めないけど)、、小人、、死ぬまでには見てみたい。。と、中々考えさせられる読後でした。。

『押入れのちよ』 荻原 浩

 

押入れのちよ (新潮文庫)

押入れのちよ (新潮文庫)

 

 おすすめ ★☆

 

内容紹介

失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。

 

「お母さまのロシアのスープ」
第二次世界大戦後に双子のターニャとソーニャが、、お母さまとひっそりと暮らしているお話。。。
(お母様の故郷のロシアのスープはお肉たっぷり。。途中から、、心ザワザワし出した。。グサリ)

「コール」
大学時代の男2人に女1人(ドリカムみたいだって、、懐かしい表現)そのうちの2人が結婚し、、夫病死。。
(愛情が感じられる。。それぞれの深い愛情が。。死しても、相手を思いやれる人に、、なりたい)

「押入れのちよ」
リストラされ無職の恵太。。不動産に紹介された築35年の古ぼけたマンション。。そこに夜中、、ビーフジャーキーを食らう14歳の幽霊・ちよが現れる。。ちよの身の上話を聞いていく内に、、奇妙な同居生活をすることに。。。
(ちよ、、恵太を見て「こわい」笑。。可愛い幽霊。。幸せになってほしい。。ふたりとも。。)

「老猫」
亡くなった叔父の家に住む家族。そこに叔父が飼っていた年老いた猫が住んでいた。そこから、、妻と娘に異変が。。。
(猫の魅惑、隠微な世界は年老いても、、吸い寄せられるのね。。)

「殺意のレシピ」
釣りに行った夫。。長年不仲な妻に今夜の食卓で殺人をする計画を企てる。。妻の対応は、、、?
(似た者夫婦。。。相性ってどこで合うかわからないから、、面白いのね。。食卓にご注意を。。)

「介護の鬼」
痴呆の義父を介護する嫁。。日々虐待を楽しむ。。
(そんな事してたら、、、そうなるわ)

「予期せぬ訪問者」
愛人を殺害してしまった男。死体を処理しようとした時に、、訪問者が。。。
(男ってバカね。。でも、、これが、、男って感じ)

「木下闇」
15年前に行方不明になった妹。。当時いなくなった三上家の裏山に何かを感じ、、妹探しをする姉。。そこから異変が……。
(幼い女の子が行方不明。。非現実的な事が姉に降りかかるけど、、とても現実的な結末に、、、悲観)

「しんちゃんの自転車」
真夜中にしんちゃんと自転車ドライブ。。しんちゃんの古風な笑えないギャグと思い出話。。思い出の場所へ。。(しんちゃんの心残りが、、程なく済んでよかった。。序盤からしんちゃんの正体がわかり、、勘が冴えてると思ったら、、前に読んだ事を思い出した。。)

その他のお話は人間の悪意が面白く描かれ、、楽しみながらも、、、現実にありそうで怖いわぁ、、、と思うものばかりでした。。

 

『ライン』 乃南 アサ

 

ライン (講談社文庫)

ライン (講談社文庫)

 

 おすすめ ★☆☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

一本の線だけで結ばれている、宙に浮かんだような若者たち。深夜のパソコン通信に嵌まる小田切薫の周りで次々殺人事件が起こる。それぞれの道を歩む高校の同級生たちは、友情と嫉妬が複雑に絡み合い…。オンライン社会の若者の心の揺れを描く、直木賞作家の傑作ミステリー。

 

パソコン通信(ひと昔前)と言われてた時代のチャットルームで、、主人公が女の子になりすまして、、男性を騙して遊ぶ。。とってもモテモテのネカマさん。。その内、、相手が本気に好きになり、、会いたいと。。会いに来た男性が次々に殺される事件発生。。文字だけのやりとり、相手の性格も本性もわからない。。思い込みだけの幻想世界。。そこから、、起こり得るだろう可能性のお話でした。。。

ネットの世界に行けば、、全てをさらけ出す必要性もなく、、自分ではない自分を演じ、、ゲーム感覚で人との会話を楽しむ。。
軽い感覚で遊び、、対人間という事を忘れ、、麻痺をしていくうちに、、その世界に魅了されていき、、現実逃避に陥る。。。
匿名性の危険な行為、、言動、、無意識の悪意。。ネット普及に伴い、、世知辛い世の中になりつつあるけど、、それ以上に交流も増え、、情報も取り入れやすくなり、、便利な世の中になったことも事実。。
(だからこそ、、自分で自分を守れる知識も必要だと思ってます)

最近はSNSを気軽にできるようになり、、情報開示し、、本名や経歴も出し、、オフ会で実際に会うこともあり、、閉鎖的な印象がなくなってきた。。。楽しい事が多くなるにつれ、、リアルな人間関係に近い悩みも増えていってるのではないか?とも思われる。。ネット社会も日々変わってきてると、、思われます。。