おすすめ ★★☆☆☆
【内容紹介】
雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。この館で次々と惨劇が起こる。館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。さらに、血文字で記された十三年前の事件……。謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。散りばめられた伏線、読者への挑戦状、圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。
著者初の本格ミステリ長編、大本命!
【感想】
読みやすい...なのに疲れる。かなり時間を労してしまった。知念作品2作目です。前回は読みやすく、展開が早くスピード感があり、あまり時間がかからなかった。しかし物語と登場人物に魅力を感じられず、早く読み終わらせたい気持ちになっていたことで加速させられた感じはある。今回も同様に 内容は決してつまらないわけでもない。やはり登場人物(主に主人公)に魅力を感じられない。500ページという長編をページの消化作業となってしまった...申し訳ない。読みながら、なぜ引き込まれないのかを自問自答してしまう読書も辛い。
個人的見解です。ミステリーオタクである名探偵・碧月夜。推理の途中でミステリートリビアに話が脱線していくという特性のある女性。そのたびにやや辟易してしまう。結構長めに名作ミステリーの説明をするのですが、その頻度が多すぎて本来の事件が見えなくなっていく。事件の捜査再開時には、何の捜査だったのか、どんな謎だったのか、わたしの頭に残っていないという始末。碧月夜に魅力を感じられないのも、残念。前作も感じたのだが、女性の描き方が下手?(ごめん)なのかな。美人で個性が強くて頭が切れる...でも魅力が全くない...なぜか。。そして致命的なのが、真相に辿り着きたいというはやる気持ちが全く湧かなかったこと。確かに伏線はそこらじゅうに散りばめられている。散らかし放題...。頭に残らないので伏線もぼんやり...。回収されても何が何だか...という状態は避けたいが、、ぼんやり。
本文に「舞台は閉ざされた山荘で起きた殺人事件(本格ミステリの王道)。よほど読者の度肝を抜くようなトリックを生み出さないとどこにでもある作品になってしまう」というような一文を読み、自らハードル上げてるなぁ。すごいトリックが仕掛けられているのかなぁと...期待までもいかないけど、そう思わせる所もあった。。しかし...。
読後、本を閉じて、頭を傾げるばかりでしたが、読み終えた安堵の気持ちが広がりました。
ミステリー好きの人にはミステリーの名作の数々が紹介されていて、面白いと思います。懐かしい作品や読んでみたい作品などがあり、意外にミステリーを読んでいた自分を再確認。綾辻行人さんの作品が何度も出てきました。帯に書かれているご本人の驚きには頷くばかりです。綾辻さんの館シリーズ好きです。また読みたいなぁ。(綾辻作品をです)