みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『湯を沸かすほどの熱い愛』

 

湯を沸かすほどの熱い愛
 

【内容紹介】

銭湯・幸の湯を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘を育てていた。そんなある日突然、余命2ヶ月という宣告を受ける。その日から彼女は「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。

 

【感想】

数ヶ月まえに原作を読み、大号泣した記憶がまた蘇る(『湯を沸かすほどの熱い愛』 中野 量太 - みみの無趣味な故に・・・)。。噂で聞いてた通り...双葉役の宮沢りえちゃんの強さと命が尽きるまでの儚さや美しさには感動した。。冷静に映像を見て、ふと思った。。ややひっかかる点が。。原作を読んでる時は母の熱い熱い熱すぎる愛情に、ひっかかりがスルーされていたのか。。あの時も少しだけひっかかっていたけど、小さなひっかかりとしてスルーしていたのか。。鮎子(家出した夫の隠し子)がママに会いたくて以前暮らしていたアパートの部屋の前でママの事をずっと待っているシーン。。お漏らしをしてしまう鮎子をそっと抱きしめる双葉。。一緒に帰ろうと下着を脱がせる。。さて...ここからがひっかかり→下着の置き場(鮎子の元の家のドアノブ)。。ひっかかるわぁ。。なぜひっかけた?。。持って帰らない理由は?なんだ?とか。。

衝撃のラストシーンは...大きなひっかかり。原作を読んだ時も号泣しながら、「ん?」ってなった。。ネタバレします。

銭湯で双葉のお葬式。親族やごく身近な人だけになり、何かいけない事をしている雰囲気。。グラグラ煮えたぎる釜。。燃える赤い火。。家族みんなで気持ちよさそうに湯に浸かる。。モクモク赤い煙が天に昇っていく。。「湯を沸かすほどの熱い愛」のタイトルドーーーン。。なるほど。。衝撃的すぎる。。

 

役者さんたち、とっても良かったというまとめ。。オダジョーさん(夫役)の情けなさもいい感じ。。杉咲花ちゃん(安澄役)の不安定な気弱さが苦みがあったなぁ。。宮沢りえ、美しい。。太宰妻も気になるなぁ。。