みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『燃えよ、あんず』 藤谷 治

 

燃えよ、あんず

燃えよ、あんず

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

人生、何が起こるかわからない(本当に)

下北沢の小さな書店・フィクショネスには、一癖も二癖もある面々が集っていた。癖の強い店主、筋金入りの「ロリータ」愛読者、大麻合法を真面目に主張する謎の男、大手企業で管理職に就く根暗な美形男性、そして、決して本を買わずに店で油を売り続ける、どこか憎めない女子・久美ちゃん。
そんな彼女に新婚間もなく不幸が訪れる。それから十数年。ある日、久美ちゃんがお店にふらりとあらわれた。同じく懐かしい顔の男を伴って――。

 

【感想】

なぜか将棋やチェス大会をしたり、文学の教室を開いたりする書店。。一癖、二癖どころではない常連客と負けず劣らずの癖の強い店主・オサムさん...が主役ではなく、開店当初から決して本を買わずに店で油を売り続ける客・久美ちゃんが主役のお話。失踪した久美ちゃんを連れて帰ってきた文学の教室の常連さん・由良さんが、、なかなか不気味な存在感。。

途中まで、、これは、一体、なんの話だ?と思いながら、個性豊かな登場人物が面白く、シュールな書店内を思い浮かべてニヤッとしていくうちに、、久美ちゃんの新たな出会いから恋への発展に至る湘南デートにドキドキし出す。。わたしがたまに現実逃避するためのトーヒコー場所・江ノ島の水族館のクラゲゾーンが現れ、、テンション一気に高まる⤴️⤴️ドキドキ予想的中💓
そこから、久美ちゃんの劇的な人生のお話に釘付けになっていくのです。。
とても繊細で身につまされる久美ちゃんと新宮くんの大きな壁に周囲の人々が真剣に力になる涙涙の物語なのですが、、個性強き者たちに大爆笑せずにいられない。。後半に現れる強烈キャラ・獅子虎さん(その人に会うまでのオサム妻・桃子の恐怖のドライブは、、抱腹絶倒🤣)にハラハラドキドキ。。重い大問題をはらんでる内容なのに、、笑いが止まらない。。みんないろんな問題を抱えているけど、、みんなが久美ちゃん想い。。不幸に導く事を趣味とする?由良さんの思惑ですら、、久美ちゃんの幸せにつながり、由良さんの黒いお腹が微かに白くなったかも。。

ぽんこつたちのお話は...無事終わり。。ではなく、、最後に獅子虎さんのお話。。久美ちゃんの物語には見えない物語が隠されているんだなぁ。。インパクトのあるお話だけど、心温まるのでした。。
近いうちに、江ノ島水族館に行こう。。😌