みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『いつか記憶からこぼれおちるとしても』  江國 香織

 

いつか記憶からこぼれおちるとしても (朝日文庫)

いつか記憶からこぼれおちるとしても (朝日文庫)

 

 おすすめ ★☆☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

吉田くんとのデートで買ったチョコレートバーの味、熱帯雨林にすむ緑の猫への憧れ、年上の女の細くて冷たい指の感触…。10人の女子高校生がおりなす、残酷でせつない、とても可憐な6つの物語。少女と大人のあわいで揺れる17歳の孤独と幸福を鮮やかに描き出した短篇小説集。

 

女子校で繰り広げられる少女たちの他愛もない日常が描かれた6つの短編。少女が大人になりかけるあの頃の危うい年頃。5人の少女と1人のおじさんの一人称で描かれている。おじさんの話は17歳の一歩踏み出すと危険と隣り合わせ。少し怖いお話。

 

柚という、可愛い女の子がママ離れをしようとするお話が印象強かった。。。紹介された男の子とのデートを重ねていく内に、、仲良しなママとの関係を少しずつ離していく。

柚の母親の価値観に。。。説得力が。。なぜか、、痛いなぁ。。。笑💦
「あたしたちにとって、ママというのはお金と安心を両方持った親友なのだ。なにをしてあそんでも、ママと一緒なら誰にもとがめられない。ママはやさしいし、気を遣わなくていいから楽」

わたしも女子校育ちで、共感する箇所がいくつか。。気楽だけどよそよそしい。。会話では何の気もない相槌をする。。お揃いのグッズを持つ仲良しな女の子たちの間には入れさせない空気。などなど。。女の子特有の世界ね。

タイトルがいいなぁ。
記憶からこぼれおちるけど、、確かにある記憶。。。よかった。