みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『最後の息子』 吉田 修一

 

最後の息子 (文春文庫)

最後の息子 (文春文庫)

  • 作者:吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/08/02
  • メディア: 文庫
 

おすすめ ★★★☆☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

ゲイバーを経営するオカマの閻魔ちゃんの家に転がり込んだ「ぼく」。昼過ぎまで寝て、起きたら読書したり、散歩したり、ときどきはガールフレンドとデートしたりと、気楽な日々を過ごしているのだが、ある事件を契機に、そんなモラトリアム生活がうまくいかなくなってしまう。「ぼく」のビデオ日記に映っていたものとはいったい?

ほかに、長崎を舞台にした短編「破片」と長崎の高校水泳部員たちの夏の一瞬を爽やかに描いて、吉田さん自身が「作家としての原点」という「Water」を収録。

 

長崎弁?が読みにくかったけど、男子の惰性や暴走から男臭が漂う。「最後の息子」のビデオ日記を振り返りながら自分の過ごした時間と場所、大切な人たちの目線や日常を切り取った映像が目に浮かび、映画を一本観た気分になった。デビュー作の「Water」が良かった。「今」を全力で生きてる爽やかさが瑞々しく描かれてる。