みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『シャトゥーン ヒグマの森』 増田 俊也

 

シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)

シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

 

【感想】

ヒグマパニックで放心状態。。
あまりの残酷な描写に気分が悪くなり、途中挫折してしまいましたが、、読み終えることができました。。過酷だったぁ。

 

北海道大学・天塩研究林。同僚の瀬戸と娘の美々(みみ)と一緒に動物学者仲間のいる北ノ沢小屋に辿り着いた薫。。そこに現れたのはシャトゥーンと呼ばれる冬眠に失敗し、雪の中を徘徊する穴持たずのヒグマ。過去に生態調査で捕獲した「ギンコ」だった。ツキノワグマの体重最大70キロに対し、ヒグマは350キロ。陸上最大の肉食獣。。極寒豪雪の地で生き残ることはできるのか?

 

過去の国内ヒグマ食害事件の概要が紹介されてました。。穴持たずのヒグマの凶暴性、執念深さ、頭脳明晰、身体能力の高さ、狙った獲物は食い尽くすまで諦めないと、、生態を知れば知るほど、、恐ろしい。。電話も車も食料もライフルも逃げ場もない恐怖と化した小屋(野生動物が生息してる森なのに、なぜこんなに無防備なのか?ちょっと疑問)で耐える人間の極限状態と執拗に繰り返す惨殺シーンが壮絶で生々しい。。生きたまま食べられる被害者の心理と熊の咀嚼音とか、美々が数回咥えられてたり(完全トラウマになるよ)。。恐怖と驚異の連続で心身衰弱してしまった。。自然と野生の前では人間なんて小さくて弱い生き物だと...痛感します。

 

もっと壮絶な予感がする吉村昭さんの『羆嵐』は読みたい本でしたが...しばらくヒグマから離れたい。。