みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ルーム』

 

ルーム(字幕版)

ルーム(字幕版)

 

おすすめ ★★★★☆

 

【内容紹介】

小さく狭い[部屋]で、5歳の誕生日を迎えたジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。ママ(ブリー・ラーソン)は、「この部屋の外にも世界があるの」と話はじめた。
閉じ込められてきた[部屋]で生まれ育ち、[部屋]以外を知らない息子に、本当の[世界]を見せるため、脱出計画を図るママ。息を殺して望む計画は、果たして成功するのか?そしてその先にある、衝撃の[世界]とは――!?

 

【感想】

狭くて暗くて天窓だけが外の様子を伺える部屋の2人の暮らしに息苦しさを感じる。。生まれてきてから外の世界を知らない子供との生活。。子供がいなかったら、希望を持たずに生きていけないんじゃないかな。子供を守る事だけに専念する母親。。部屋の世界が「本物」だと思う子供。。週に一度だけ生活物資を届けにくる男が部屋にいる数時間の様子が、、クローゼット越しの子供から垣間見え、、緊迫感を強める。。希望を失わなかった母親の決断と行動力は、子供の安否を考えると、奇跡に近い脱出劇。。母親が救出されるまであの部屋で1人で待つ時間は想像以上の怖さだと思う。

脱出後の母と息子は平穏な暮らしをする。。だけど、あの部屋で頼れる母親は次第に心を壊して、弱くなっていく。。そんなママを小さな子供が支えていく姿に胸打たれる。

 

「よくないママね」「でもママだよ」

 

子供の純粋な感性と優しさと強さは、、あの部屋で母親が守り抜いた息子への愛情と強さそのものなんだと感じました。

実話を元にってところも、悲しくて、やるせない。

自由を手に入れた子供の時間感覚が早まる事も容易で、めまぐるしい世界の情報を早く吸収するのも子供の方が早い。そのことがなぜか寂しさを帯びたけど、、それが自由なんだなぁと思った。。

 

子役の子。ジェイコブ・トレンブレイくん。とても演技力が高く、注目してしまう。。かわいい。『ワンダー 君は太陽』の子役の子なのね。