みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『秘密は日記に隠すもの』 永井 するみ

 

秘密は日記に隠すもの (双葉文庫)

秘密は日記に隠すもの (双葉文庫)

 

 おすすめ ★★★★☆

 

【感想】

著者最後の作品が、、初読み作品。。
ゆるく繋がる短編連作集。

「トロフィー」
憧れのパパの秘密を知った女子高生。。ママから言われ続けていた「パパみたいな男の人を見つけなさい」の一言が、、ガラリと変わる。。

「道化師」
母の死を受け入れられない40代独身男性。母の紹介から知り合った女性に一目惚れをして恋をしていく。。最後がとても切ないけど、優しい結末。。

「サムシング・ブルー」
不倫に苦しみ女性。しっかり者の妹に心配されながら、辛い恋愛を日記に書き綴る。。どんでん返しな展開に、、姉恐るべし。

「夫婦」
妻を亡くした夫。。妻のいない生活を穏やかに過ごしてる、、と思ったら...。熟年夫婦の似た者同士。。怖いなぁ。

 

思ったより、楽しめました。日記って個人的な部分を自分にさらけ出す物。。でもどこか他人を意識してる。。日記の利用の仕方も様々。。そういう所がこういう話を生み出せるんだなぁと感じました。
わたしも日記を長く書き続けてるので、、他人に覗かれる前にうまく処分できる方法を考えないと。。笑

この作品を書いてる間に著者は亡くなられたそうで、続きの話が読めないのはとても残念でした。冒頭の謎の日記への繋がりがとても気になります。