みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『サブマリン』 伊坂 幸太郎

 

サブマリン

サブマリン

 

 おすすめ ★★

 

内容紹介

「武藤、別におまえが頑張ったところで、事件が起きる時は起きるし、起きないなら起きない。そうだろ? いつもの仕事と一緒だ。俺たちの頑張りとは無関係に、少年は更生するし、駄目な時は駄目だ」/「でも」/うるせえなあ、と言いたげに陣内さんが顔をしかめた。/「だいたい陣内さん、頑張ってる時ってあるんですか?」/と僕は言ったが電車の走行音が激しくなったせいか、聞こえていないようだった。(本文より)

 

つい最近、『チルドレン』を読んだので、お久しぶりの陣内さんではないけど、、、相変わらずの陣内さんにまた楽しませてもらいました。「言い方を正す会」が必要な陣内節。面白い。

 

「弱い奴を狙わないでくれ。そういうの嫌なんだ」

「人の命は失ったら、戻らない。挽回はできない」

言い方を正さなくてもストレートに来る言葉もたくさんある。

加害者被害者の意外なつながりなど、こういう所が伊坂作品って感じ。

悪人の定義、罪の重さ、少年の罰し方、更生の道、、、正解ってある?法的に定められているのが正解?とても難しい問題ばかり。作者なりの少年法の捉え方がとても興味深かったです。