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内容紹介
「武藤、別におまえが頑張ったところで、事件が起きる時は起きるし、起きないなら起きない。そうだろ? いつもの仕事と一緒だ。俺たちの頑張りとは無関係に、少年は更生するし、駄目な時は駄目だ」/「でも」/うるせえなあ、と言いたげに陣内さんが顔をしかめた。/「だいたい陣内さん、頑張ってる時ってあるんですか?」/と僕は言ったが電車の走行音が激しくなったせいか、聞こえていないようだった。(本文より)
つい最近、『チルドレン』を読んだので、お久しぶりの陣内さんではないけど、、、相変わらずの陣内さんにまた楽しませてもらいました。「言い方を正す会」が必要な陣内節。面白い。
「弱い奴を狙わないでくれ。そういうの嫌なんだ」
「人の命は失ったら、戻らない。挽回はできない」
言い方を正さなくてもストレートに来る言葉もたくさんある。
加害者被害者の意外なつながりなど、こういう所が伊坂作品って感じ。
悪人の定義、罪の重さ、少年の罰し方、更生の道、、、正解ってある?法的に定められているのが正解?とても難しい問題ばかり。作者なりの少年法の捉え方がとても興味深かったです。