みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ちょっと今から仕事やめてくる』 北川 恵海

 

 

おすすめ ★★☆☆☆

【内容紹介】

ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。
同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。
なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――
働く人ならみんな共感! スカっとできて最後は泣ける"すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー。

 

【感想】

良い会社に勤められると、、いいですね。。

 

『父の詫び状』 向田 邦子

 

新装版 父の詫び状 (文春文庫)

新装版 父の詫び状 (文春文庫)

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞…だれの胸の中にもある父のいる懐かしい家庭の息遣いをユーモアを交じえて見事に描き出し、“真打ち”と絶賛されたエッセイの最高傑作。また、生活人の昭和史としても評価が高い。航空機事故で急逝した著者の第一エッセイ集。

 

【感想】

厳格で時には(ほぼ?)理不尽な言い分で道理を通す向田さんの父・敏雄さん。。その父を立てる母・せいさん。
エピソードに驚かされながら、とてもユーモアに描かれ、フッと笑いが込みあげる。時折見せる父の愛情に苦笑い。。父ってこうだよね。。と共感。。
第一話の表題作では、父の客がお酒を飲みすぎて玄関先で粗相をした吐○物を凍てつく雪の朝に片付けている母の姿を見て、労いの言葉をかけることのない父に怒りを覚える。。しばらくすると、父から家族に手紙が。。終わりの方に「此の度は格別の御働き」という一行が朱筆で傍線が引かれてある。。父の詫び状。。一気に気持ちが持ってかれました。。

「お辞儀」がとてもじんわりさせられたお話。
留守番電話には色々な人がメッセージを残していく。。黒柳徹子さんのメッセージが一番面白い。1分では収まらない徹子さん。連続9回残して、最後に「用件は直に」と笑。。父からの立った1回のメッセージは噛み付くような怒鳴り声。。これもなかなか。。笑
旅行に行かない母に妹をつけて香港旅行に行かせた際、空港内でのドタバタから何とか搭乗口まで見送る向田さんに母が振り返り、深々とお辞儀をする。。「どうか落ちないでください。どうしても落ちるのなら帰りにしてください」と祈り、笑いながら涙が止まらなかったそうです。
母の入院。姉妹でお見舞いに行き、帰りのエレベーター前で深々とお辞儀をする母。見送られる姉妹たちはエレベーターの中で心痛む。。涙ぐむお互いの顔を見て見ぬふり。。
二回の母親のお辞儀を見て、自分が育て上げたものへ頭を下げるという行為が子供としての切なさを感じるお話でした。。
東京で働く向田さんの日常から、父と母との思い出が描かれるエッセイ。。今回も背筋が伸びるような気持ちにさせられ、とても良かったです。

 

 

『獣の奏者II王獣編』 上橋 菜穂子

 

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

 

 おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく―。新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。

 

【感想】

『闘蛇編』で 母がエリンの為にしてしまった禁忌の意味とは?神王国の真王と闘蛇を操る国防との関係を揺るがす戦、真王の護衛・イアルと王獣を操るエリンが巻き込まれていく陰謀、王獣の規律を頑なに守らせる神の国の過去の真実など読み応えあり。。その中でも一番気になるのは孤独な存在であるエリン。彼女を取り巻く人々のそれぞれの想いがエリンの運命を導いていく。。獣と分かり合えても、人とはなかなか分かり合えないであろうエリンの才能と苦悩。。獣の本能を知り、深く悲しみを負いながら、自らの運命に従うエリンのラストシーンにすごく感動しました。。
母となるエリンの『探求編』も引き続き、楽しんでます。

『グレイテスト・ショーマン』

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映画『グレイテスト・ショーマン』予告D - YouTube

 

【感想】

いちいち感動。。(*꒦ິ꒳꒦ີ)ウゥッ。。
途中で拍手したくなる衝動を抑える。。
体が熱くなる。高揚する。感動で震える。。全ての感情が体内を駆け巡りながら鑑賞。。
幸せな気持ちが充満していくわ。。( ´-` )♡
また幸せになりたいから、、また観よう。。

 

 

 

『獣の奏者Ⅰ闘蛇編』 上橋 菜穂子

 

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

 

 おすすめ ★★★★☆

 

【内容紹介】

リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。

 

【感想】

母の処刑を目の当たりにした幼いエリンの過酷な試練からのスタート。。母がエリンの為にしてしまった罪とは一体何なのか?続きが気になるので、急いで『王獣編』へ。。

 

 

『1ミリの後悔もない、はずがない』 一木 けい

 

1ミリの後悔もない、はずがない

1ミリの後悔もない、はずがない

 

 おすすめ ★★★★☆


【内容紹介】

「俺いま、すごくやましい気持ち……」わたしが好きになったのは、背が高く喉仏の美しい桐原。 あの日々があったから、そのあと人に言えないような絶望があっても、わたしは生きてこられた。ひりひりと肌を刺す恋の記憶。出口の見えない家族関係。人生の切実なひと筋の光を描く究極の恋愛小説。
第15回女による女のためのR-18文学賞読者賞受賞作。

 

【感想】

椎名林檎絶賛本なので、読んでみました🍎
全5編で構成されている連作短編集。
第一話の「西国疾走少女」は椎名林檎のバンド東京事変の『閃光少女』を聞きながら書いたそうです(作者は林檎ちゃんファンだそうで、デビュー作で帯を書いてもらって幸せだなぁ。。)

 

「西国疾走少女」
中学2年生になった由井はクラスメイトの桐原に恋をする。背が高く喉仏の美しい桐原。 家庭環境が複雑な由井の頭の中は桐原が全てだった。桐原以外の時間はひたすら駆け抜けていくだけ。周りはどうでもよかった。。まさに疾走少女ね。。

 

初恋で少女から一気に大人の女になる瞬間。。「なぜ惹かれるのか。色気としかいいようがない。」
未熟な心が本能で衝き上げられた感情のまま恋に走っていくのが、ドキッとする。。恋に落ちる理由のない異性への色気に惹かれる。そういう言葉には表せない恋の表現がとても本能的に描かれてると思います。
「大切なものをうしなう後悔」と「欲しかったものが得られなかった後悔」過去は変えられない。色々な後悔はある。後悔のない人生なんてないけど、、誰もが前に進んでるんです。時折、過去を引きずりながら。。

これからが楽しみな作家さんです。

『横浜駅SF 全国版』 柞刈 湯葉

 

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

 

 

おすすめ ★★★★★

 

横浜駅SF』のスピンオフ
【瀬戸内・京都編】キセル同盟(横浜駅の支配から解放される運動をする組織)立ち上げから崩壊までの話。
【群馬編】浅間山の噴火から人を避難させる医師と技術者の話。
【熊本編】
JR福岡宿舎で殺人事件発生。犯人は?なミステリー話。
【岩手編】
アンドロイド内で「天才」と呼ばれるアンドロイドの苦悩。

 

スピンオフが物凄く面白かった。。本編の謎が少しだけ、紐解かれていく。全ては解決されてないけど、本編に繋がると思うと面白い。
本書に書かれていた言葉を用いると
「普段使わない言語中枢の筋トレをしている気分」です。。すごく面白かった。。続きが読みたい。。