みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ライアの祈り』 森沢 明夫

 

ライアの祈り (小学館文庫)

ライアの祈り (小学館文庫)

 

おすすめ ★★★☆☆

 

【内容紹介】

縄文時代から豊穣な土地として営みが続けられてきた青森八戸に赴任してきた桃子。バツイチ、三五歳で恋に臆病になっている。人数あわせで呼ばれた合コンで出会ったのは、何とも風采のあがらない考古学者だった。彼の誘いで遺跡発掘に目覚めた桃子。古代の人々の豊かで人間愛に満ちた暮らしを知るうちに、背負ってきた様々な呪縛から解き放たれていく。不器用な二人の思いは成就するのか…。縄文と現代、時を隔てながらも進んでゆく二つの感動物語。

 

【感想】

青森三部作第3弾。
シリーズで脇役だった大森桃子が主役のお話。
青森八戸に赴任してきた桃子。バツイチ、35歳。人数あわせで呼ばれた合コンで出会ったのは、何とも風采のあがらない考古学者だった。彼の誘いで遺跡発掘に目覚めた桃子。縄文と現代、時を隔てながら進んでゆく2つの物語。

現代人桃子と縄文人ライアがリンクしたストーリーでしたが、、縄文時代と結び付けなくても良かった気が...する。。脇役キャラの桃子が好きだったなぁ。。とか、子供が授からない悲しみと苦しみを抱えた桃子の幸せのカタチ。。うーーん。子供を産む事が幸せのカタチなのかどうか、、ラストは別のカタチでの幸せのあり方を見せて欲しかったなぁ。。とか、斜め目線で読んでしまった。。( ̄▽ ̄;)

 

津軽百年食堂』の陽一と七海のその後や『青森ドロップキッカーズ』のカーリングの話など、懐かしい再会もあり、、紹介される八戸グルメ(特にバフンウニとムラサキウニの2種類ウニ丼は食べてみたい)が美味しそうで青森に飛んで行きたくなったり、、縄文人の知識と技術(漆塗りの技術や籠や布作り、お酒作りまで)に驚かされたり、、変わらない優しさに包まれた大森家の家族愛にホロっとしたり。。他者のために祈る縄文人から幸せとは何?を気づかされたり。。作者の青森愛が感じられる作品でした。


個人的には『青森ドロップキッカーズ』が三部作の中で一番好きだなぁ。。ライアのその後はどうなった?その話は書いてくれるかなぁ。。