おすすめ ★★★★☆
【感想】
時代は100年前。。売れない作家・綿貫が学生時代に亡くなった親友・高堂の実家の家守をすることに。庭付き池つき電燈つきの家。。とても居心地の良さそうなお家には時折不思議な者たちが訪れる。。綿貫と来客たちの交歓記録。。
鳥、竜、河童、狸、鬼、人魚、亡友などが突如現れ、綿貫を驚かせる。綿貫さんのいかなる化け物でも、向き合う心が素敵。。
数々の賑やかな交流も100年前の日本の風景、生活、自然の地を想像すると、、奇異な生き物たちとの共存が綿貫の日常に溶け込み、いつのまにか不思議な世界とは思えなくなる。梨木さんの穏やかで、静かな文章が腰を抜かす日常、時には心騒つかせる悲しい日常も風のように通り過ぎる心地よさを感じさせてくれる。
四季折々に見せる庭の風景と消えてゆく儚げな花々たち。。季節が来れば、再会できる草花たちとの楽しいひと時。。文明社会にいると、自然の声に耳を傾ける事を忘れてしまう。。草花たちがどんな声でどんな会話をしているのか、聞きたくなりました。
以前、疲れた心に効く本という帯に惹かれ読んだ本が疲れを増幅させてしまった事があった。。こちらの本はストレスを感じた時に、読むと、、心が穏やかになり、浄化されていく気持ちになりました。。わたしにはとても心地よさを与えてくれた一冊😌📖✨