みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『サクラ咲く』 辻村 深月

 

サクラ咲く (光文社文庫)

サクラ咲く (光文社文庫)

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

塚原マチは本好きで気弱な中学一年生。ある日、図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ちた。そこには『サクラチル』という文字が。一体誰がこれを?やがて始まった顔の見えない相手との便せん越しの交流は、二人の距離を近付けていく。(「サクラ咲く」)輝きに満ちた喜びや、声にならない叫びが織りなす青春のシーンをみずみずしく描き出す。表題作含む三編の傑作集。

 

若美谷中学校で起きる不思議で心温まる短編集。

表題の「サクラ咲く」気弱なマチが借りる本に一枚の便せんが。。「サクラチル」。。そこから知らない相手と文通が始まる。自分の意見が言えない引っ込み思案のマチが文通を通して成長していくお話。

図書室は昔から大好きな場所。たまに落書きを見つけると誰がどうしてこんな事を書いたんだろう?なんて思って本より気になったり、図書貸出カードで同じ名前を見つけると、ちとほんわかするあの感情も図書室でしか味わえない。。いいな。もう1回学生に戻れるなら、図書室で色んな発見をしてみたい。。

その他には未来からやってきた転校生との友情の話。(タイムマシンや未来の秘密道具が出てくるあたり、藤子不二雄ファンの作者だからドラえもんチックなお話だなぁ。)

映画同好会が部活昇格する為にコンクール出品を目標に部員が一致団結をする話。(こちらは「図書室の君」と呼ばれる美人の先輩を主演女優にしたくて奔走する部員たち。新聞部がとても嫌な男。。。こんな学生いるの?って笑)
3話がさりげな〜く繋がってる所も微笑ましい作品でした。

こちらは本交換会で「春」のテーマでいただいた本です。
春らしい、温かくて爽快な気持ちにしてくれた一冊でした。