おすすめ ★★★★★
内容(「BOOK」データベースより)
1995年3月20日の朝、東京の地下でほんとうに何が起こったのか。同年1月の阪神大震災につづいて日本中を震撼させたオウム真理教団による地下鉄サリン事件。この事件を境に日本人はどこへ行こうとしているのか、62人の関係者にインタビューを重ね、村上春樹が真相に迫るノンフィクション書き下ろし。
私は当時、地下鉄銀座線で会社に向かっていた。まさか東京の地下でこんな恐ろしい事件が起きてるなんて思ってもみなかった。会社に出社したら、慌ただしい雰囲気。テレビを見つめる人や電話応対をしている人。私も目の前で鳴る電話を取る。事件の影響で出社できない人、約束の時間に間に合わないという知らせ。親から心配の電話。幸い社員のみんなは会議の都合なり、直行などで事件の電車に乗った人は1人もいなかった。いまだに覚えているあの日の出来事。見た事もない風景がテレビから流れる。日本とは思えない光景だった。この本を読んでさらにこの事件の恐ろしさ、罪深さを思い知った。村上春樹の意見は特にない。純粋にインタビューに答えた人達の言葉のみ。絶対に忘れてはならない事件であると同時に宗教というものを考えさせられた一冊でした。