みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『しろがねの葉』 千早 茜

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。

【感想】

戦国時代末期、貧しい暮らしの果て、夜逃げをする一家。幼い少女・ウメは両親とはぐれ、道に迷い入り込んでしまったのは底知れぬ暗闇の穴。石見国にある銀山の間歩(坑道)だった。才山師・喜兵衛から夜目が利き、銀堀としての才能を秘めたウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。銀堀を夢見るウメは、銀堀は男の仕事、女は子を産み育てるという女性の生き方に抗う。女だからということで才能も活かせず、生きたいようにいけない悔しさが募るウメの体は女性として成長していき、、男の欲望に苦しみ、残酷から現実を受け入れていく。ウメの心にできた大きな穴。。深い間歩の暗闇よりはるかに暗い闇を心に抱えたウメから銀堀への喪失感が窺える。女性として生きる人生を選んだウメに感情を揺さぶられた。選択と決断のたびに悲しみや痛みを伴うウメだが強くたくましい精神力は幼いころから変わらない。幼馴染の隼人と夫婦となり、子を産み、育て、銀堀の夫を支えていく。間歩の漆黒の闇の中、命を賭ける銀堀の男たちの熱気は迫力があり、生きて生きて、死んでいく男たちの最期は衝動が押し寄せてくる。愛する者を守り、見送る女の人生。ラスト一行まで目が離せかなった。体の芯まで熱くなった。心が疲れた時に読んだけど、ちょっと強くなれた気がする。