おすすめ ★★★★☆
【内容紹介】
悩んだり傷ついたりしながらも生きていく、すべての人にそっと寄り添うキラメキの8編。
【感想】
悩みを抱える女の子たち。年齢も事情も様々。みんな生きづらくて、みんな弱い。彼女たちだけに向けられた..おじさんの言葉に救われていくのです。
「燃やす」小学校の焼却炉で何でも燃やしてくれるおじさんに、傷心の少女があるものを燃やしてと...。(ある事件で被害者になってしまった少女。被害者なのに自分を責めてしまう気持ち。辛いなぁ。「あなたは悪くないよ」これは泣いたよ)
「孫係」祖父がしばらく居候をすることに...孫娘の複雑な心境。
(祖父の「正直なことと優しいことは別なんだ」という言葉。じんわり沁みた~。正直な想いを胸に秘めておく優しさ。そして信じられる人にだけ悪態をつく..笑。本音を言える人の存在...それだけでも十分救われるよね)
「ドラゴン・スープレックス」ひいおばあちゃんに育てられた樹絵瑠(ジュエル)。ひいおばあちゃんは娘や孫のことをあまりよく思ってないようで「あかんもん」がつかないために、おまじないをかける。樹絵瑠はママやママのママやそのママを見て、色々な事を感じるのです。
(ひいおばあちゃんが樹絵瑠の名前を気に入らなくて「喜恵」と呼ぶところは笑った。わたしも経験があるのです。子供は微妙な気持ちになるのよね。家族や環境ってとても複雑で何を信じていいのか、自分の生き方に迷うことがたくさんあるけど、自分でいいんだ。自分で決めていいんだって、ストレートな言葉が良かった。言葉をかけたおじさんは、近所の人から「おっさん」と呼ばれる愛されキャラ。母親の年金で生きる自由で博識な男性、ちょい好き)
その他にも願っていた妊娠に不安感を抱いてしまう女性や、「あねご」というあだ名をつけられ、酒に溺れる女性など悩み傷つく女の子たち。母親、娘、孫、求められてしまうキャラ...しんどいけど頑張ってしまう。弱くたっていいのに、弱さを出してはいけないと思う気持ち。。わかります。自分の弱さを認めることで、自分をもっと好きになる。疲れた時は無理して前に進まないで、自分と休憩しましょう。