みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『この本を盗む者は』 深緑 野分

 

この本を盗む者は【電子特典付き】 (角川書店単行本)
 

おすすめ ★★☆☆☆

【内容紹介】

書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、深雪は残されたメッセージを目にする。“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”本の呪いが発動し、街は物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り元に戻らないと知った深冬は、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて―。

【感想】

読長町にある御倉館。書物蒐集家の御倉嘉市のコレクションを収めた巨大書庫。管理を代々引き継ぐ御倉家。過去に起こった大量盗難事件をきっかけに、御倉館には...ある仕掛けが。。本が盗まれるたびに発動するブック・カース(本の呪い)。。呪いがかかると町ごと本の世界に変異してしまう。。読長町を元に戻すために御倉深冬は盗まれた本を探すファンタジーです。。

一話目のブック・カースはファンタジーの世界。ストーリーのテンポは良いので、サクサクっと読めるのだが...気分が乗らず、退屈に感じてしまったので、続けて読むほど夢中になれず...一日一話ずつ読むことにしました(ウジ本を挟みながら..笑)。。二話はハードボイルドの世界。三話は冒険小説の世界。四話で...異変が...現実世界で不可思議な事が起こり、五話で謎が明らかに。。という流れです。。さて、なぜこんなに物語に入り込めないのか...その事を考えながら、ただ話を読み進める。。全く難解でもなく、本の世界に入り込んで冒険するなんて面白いはずだし、不思議が巻き起こるのは大好きだし、呪いもやや好き。ミステリー好きとしては謎も気になるし...なのに見事にハマらない。登場人物への感情移入がしにくかったという点は大きい。主要人物たちの存在感が薄くて、惹かれる所がない。読書が苦手、本が嫌いな深冬の言動やノリについていけない感も多々あり。。残念なことに、退屈感が最後まで続いてしまった。。

読み終わり、印象深い一文が

「本は、ただ読んで、面白ければそれでいいんだ。つまらなくてもそれはそれで良い経験さ。自分が何を好み何を退屈だと感じるか知ることができるからね」。。退屈な読書も良い経験なのです。

初めての深緑作品でしたが、次に『ベルリンは晴れているのか』を読みます^_^