おすすめ ★☆☆☆☆
【内容紹介】
殺人、傷害、性犯罪、交通事故、違法薬物、違法労働、自殺者がゼロの海上コロニー―通称“楽園”。その七つのゼロをはじめて「自殺」で破った少女・ミサキ。ミサキの死に疑問を抱いた僕は、生前の彼女の行動を探りはじめる。そこには、七日前に現れた新種の人喰いクラゲの存在が?
【感想】
時は近未来。ドーム型でシステムにより管理化され、本土(日本)から抽選で選ばれた者たちだけが居住権を持ち、生活が保障された夢の島。楽園。そこに現れた美しい人喰いクラゲ。危険生物に興味を抱くクラゲ好きのミサキは、親友・ナツオの目の前で自殺を遂げた。興味をそそるミステリーのはずが...。
クラゲ好き...その理由だけで、読んでみた。そして途中挫折しました。。ふわふわと浮遊するクラゲのように、話の進行のゆらゆら感に酔いそうになる。それでも何とか読み終えた。
親友の死の真相、自殺を巡るコロニーの陰謀、人喰いクラゲの脅威、楽園の魅力、本土と楽園の対立、、と、興味深い近未来の世界が全て中途半端に描かれていて、もったいない気持ちが広がる。。特に楽園の魅力が感じられず、世間話が多い登場人物たちの退屈な会話に疲れ、全ての謎に興味が湧かなくなってしまった。ミステリーなのに、致命的な読書となってしまう…ε-(‐ω‐;)
親友・ナツオのぼんやりとした性格や口癖にいちいち引っかかってしまう。
「あ、そうですね」
「あ、わかりました」
「あ、えっと、」
「あ、はい」
「あ、」だけの時もある笑。
「あ、」始まりの意図は何?気になるわ。謎の解明をする大きな役割を担う人物なのに、クラゲのようにふわふわとした思考力で、話が進まない。。ラストまで何を伝えたかったのか?が読み取れず、最後まで消化不良が続き、辛かった。唯一面白かったのは、ミサキが命名した人喰いクラゲの名前。それくらいかな。。今年のワースト本になりそうです。