みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画、絵画鑑賞の感想を書いてます。

『満月と近鉄』 前野 ひろみち

 

満月と近鉄 (角川文庫)

満月と近鉄 (角川文庫)

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

生駒山の麓で私は四つの小説を書き、そのうえ恋に落ちたのである。

小説家を志して実家を飛び出し、生駒山麓のアパートに籠もっていた「私」は寺の参道で謎めいた女性に出会う。その女性は万巻の書物に囲まれて暮らしていたが、厳しい読み手でもあった。私は彼女に認められたい一心で小説を書き続けるが……(表題作)。斑鳩の里に現れたひとりの青年、ベトナム戦争からの帰還兵ランボーは、己を戦場へ押しやった蘇我氏への復讐を胸に秘めていた(「ランボー怒りの改新」)。奈良を舞台に繰り広げられるロマンと奇想に満ちた4篇。本書を発表したのち沈黙を続ける鬼才の唯一の著作。仁木英之による解説、森見登美彦との対談を収録。

【感想】

最高に面白かった(*≧∀≦*)久々に声を出して笑った読書(*≧∀≦*)📖

「佐伯さんと男子たち1993」
三人の中3男子が、同じクラスの佐伯さんに恋心を抱き、次々にアホになっていってしまうというお話。(佐伯さんを「バンビ」というコードネームで呼べば、誰にも気づかれず話題ができるとか...男子らしくて、もう笑うしかない。男子の脳内はほんと可愛い。)

「ランボー怒りの改新」
時は飛鳥時代。ベトナム戦争から生還した怒りのランボー。蘇我入鹿勢と死闘を繰り広げる。(破茶滅茶な設定を上回るランボーの大暴れっぷりがすごい。)

「ナラビアン・ナイト 奈良漬け商人と鬼との物語」
生駒山の山荘で隠居暮らしをする老人の元に『千一夜物語』を即興で変形して語る事を特技とする女性が訪れる。老人が「奈良風」に語って欲しいと。(まずこの設定だけで、笑いが起きる。。でも語られる奇想天外な物語が妖しく、不思議でいつのまにか取り込まれていく)

「満月と近鉄」
内容紹介参照↑著者が四作を書くまでのエッセイかな。(現実と虚構の融合。佐伯さんの不思議な魅力と山奥にひっそりと佇む山荘の幻想的な美しさ。なぜ満月と近鉄?この答えが純朴でキュンとなる。。終わってしまうのが寂しい。)

 

この埋もれた名作は意外な所で発掘されたようで、手を尽くし出版に至ったそうです。それはよかった。純朴な男子たちの青春をわたしは十分楽しませてもらえたから。。まだまだ読んでみたいと思うが、どうやら本業の畳屋さんが忙しいようで執筆はできないらしい。。いつかまた書いてほしいですね。。森見登美彦さんとの対談も収録されていました。。どうやら作風が似てるようだ。。森見さん未読作家さんなのです。すみません。でも面白そうだなぁ。読んでみます(^^)