おすすめ ★★★★☆
【内容紹介】
私はたぶん泣きだすべきだったのだ。身も心もみちたりていた恋が終わり、淋しさのあまりねじ切れてしまいそうだったのだから――。濃密な恋がそこなわれていく悲しみを描く表題作のほか、17歳のほろ苦い初デートの思い出を綴った「じゃこじゃこのビスケット」など全12篇。号泣するほどの悲しみが不意におとずれても、きっと大丈夫、切り抜けられる……。そう囁いてくれる直木賞受賞短篇集。
【感想】
過去の恋に対する、複雑な思いを抱えている女性を描いた短編集。
離婚寸前の妻、同性愛のカップル、主婦、不倫女性、過去の男を忘れられない女性。。自分の置かれた環境、孤独の中で本能と流れのまま生き、不安を持ちつつ安定な日常に身を置く女性たち。。悲しみが不意にやって来ても乗り越えられる。。大丈夫と思わせてくれる。。
「自分以外の人間の心の中は深い闇だとちゃんと知ってた」
江國さんの恋の距離感や男女の描写がとても綺麗で溌剌としてて、心地よい。。ゆっくり、一話一話を摘んで読むのがおすすめです^_^