みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『天国まで百マイル』 浅田 次郎

 

天国までの百マイル (朝日文庫)

天国までの百マイル (朝日文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

 

【感想】

会社の倒産により妻に離婚され、財産も妻子も失う城所安男。妻子への養育費の支払いもままならず、水商売の女性・マリに養ってもらう生活。。子供4人を女手一つで育てた安男の母。。母が重い心臓病を患い、母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいるという病院めざし、百マイルをひたすら駆ける。

どん底に堕ちた安男を支える女性たち。
母が子に想う気持ち、子どもの生活を守りたい元妻の気持ち、愛する男の幸せを誰よりも願うマリの気持ち。。どの女性の心情もわかり、感情移入してしまう。。特に母親の「子供に負けてもらいたくない。」このまっすぐな想い。。出来の良い兄たちと姉への劣等を抱えてる末っ子。。母を救う事で自分も救われたい安男。。その願いを叶えさせたい母親。。安男は幸せね。女性たちのために再起するしかない。。