みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞を思うがままに

『烏に単は似合わない』 阿部 智里

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界「山内」ではじまった世継ぎの后選び。有力貴族の姫君四人の壮大なバトルの果て……。

【感想】

八咫烏シリーズ第一弾。史上最年少の松本清張賞受賞作品。デビュー当時は現役大学生だったんですね。雅な世界のドロドロした人間ドラマ。。烏ドラマか。単純に楽しかったよ~。山内という異世界で若宮・奈月彦(なづきひこ)の后選びが始まる。東西南北の領土を治める貴族から選ばれた四人の姫が登殿する。楽人の東領からは東家当主の二の姫・あせび、職人の西領からは西家一の姫・真赭の薄(ますほのすすき)、商人の南領からは南家一の姫・浜木綿(はまゆう)、武人の北領からは北家三の姫・白珠(しらたま)が選ばれた。姫たちの登殿した桜花宮という場所が優雅で華やか。穏やかに時が過ぎるわけでもなく、若宮の寵愛を得るために姫たちや姫に仕える女房たちがお互いを探り合ったり、罵ったり。。そこに政治的な陰謀が絡み出してドロドロっとしていくんです。面白いとしか言いようがない笑。后になるために育てられた姫たちの政略結婚。領土の運命を背負う責任はかなり重い。若宮に対する姫たちは使命感もあれば、恋心を抱いたり、胸の内に抱えるものがそれぞれ違う。やきもきしている姫たちの前に一向に姿を見せない若宮。どんな人なんだろう?と興味がそそる。そして若宮の妹君・藤波の宮(ふじなみのみや)が無邪気に場をかき乱す。無邪気さがまた恐ろしいんだけど。若宮不在の中、桜花宮では不穏な事件が立て続けに起こる。后選びはどうなることやら?事件の真相はおぞましい。。個人的に好まない姫が絡んでいたから、ワクワクした結末でした笑。今後の主要人物となる若宮に仕える北家出身の貴族・雪哉(ゆきや)の成長も気になります。面白いシリーズの始まりです。