おすすめ ★★★★★
内容(「BOOK」データベースより)
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。
美しい。優雅。賞賛。感嘆。ものすごく穏やかなお話ばかりなのに、興奮してしまった。画家たちの近くにいた女性が語る短編集。陽光なマティスと稲妻のピカソの会食シーンは家政婦だけでなく私もドキドキしたわ。ドガの“十四歳の小さな踊り子”についての小さなミステリーも面白かった。表題作の“ジヴェルニーの食卓”はモネの美味しいお話。わたしが一番感動して、二回読んだのは”タンギー爺さん”パリの片隅で売れない画家に絵と交換で絵具を提供する画材屋の親父さんのお話。そこに集まる若い画家(ゴーギャン、ゴッホ、ベルナール)や画商の絵画議論を楽しむ親父さん。借金してまで、お客に振る舞うお酒や画材。でも世界一の美術館と親父さん自慢の売れない画家たちの絵の数々。その人達から語られるセザンヌの話に夢中になりました。
「リンゴひとつで、パリをあっと言わせてやる」世界をあっと言わせたね。