- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: 単行本
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内容(「BOOK」データベースより)
夢を映像として記録し、デジタル化した「夢札」。夢を解析する「夢判断」を職業とする浩章は、亡くなったはずの女の影に悩まされていた。予知夢を見る女、結衣子。俺は幽霊を視ているのだろうか?そんな折、浩章のもとに奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する集団白昼夢。狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視た浩章は、そこにある符合を見出す。悪夢を変えることはできるのか。夢の源を追い、奈良・吉野に向かった浩章を待っていたものは―。人は何処まで“視る”ことができるのか?物語の地平を変える、恩田陸の新境地。
怖い。夜読んでると後ろにいるんじゃないの?って背中がゾワリとする瞬間が。そんな恐怖を味わいながら、最後まで読み切りました。子供たちが“後ろを振り返り振り返りして、必死に何かから逃げていく”その表情が“みんな白いお面を着けている”ようだった・・・なんて想像しただけで恐ろしい。子供たちが何から逃げているのかを解明していくにつれ恐怖が高まっていく。夢札で謎を解明していこうとする場面、現実世界なのか夢なのか過去なのか未来なのかわからなくなっていく場面、現実に現れる死んだはずの女などの描写が怖いのに止まらない。
ところで“神隠し”の部分が私には理解できなかった。タイムスリップ的な感じだが、なぜ子供達に起きたのか、その影響がどうなっていくのか。それが「取り返しのつかなくなること」なのか。