みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画、絵画鑑賞の感想を書いてます。

『ザ・ロイヤルファミリー』早見 和真

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

継承される血と野望。届かなかった夢のため、子は、親をこえられるのか? 成り上がった男が最後に求めたのは、馬主としての栄光。だが絶対王者が、望みを打ち砕く。夢は血とともに子へ継承される。

【感想】

税理士の父と一緒に働くという夢が父の死により叶うことができず、喪失感を抱えた栗須栄治。心にぽっかり穴をあけた時に出会った人物は我が道を行くワンマン社長・山王耕造。会社を大きく成長させ、馬主としても存在感を放つ。経営困難となった牧場で購入した馬は「ロイヤルホープ」と名付けられ、目指すはG1制覇。馬主の夢や野望、牧場主、調教師、騎手、その家族たちの思い、馬だけではく、馬主の父と子の継承など、秘書となった栗須の視点で語られていきます。興味深い内容なのですが、栗須さんの語り口調が、わたしとは相性が良くなかったのか、物語にうまく入り込むことができない時もしばしば、人間性の魅力があまりにも欠落していることに少し同情も。。しかし馬から学ぶことがあり、特に調教師さんの言葉には注目してしまいます。気性の荒い馬をどう調教するのか?繊細な馬の扱い方とか...。頑張りを評価される人間とは違い、馬は結果でしか未来を切り拓くことができない。たった一頭だけが栄光を掴める。馬主の愛馬に注ぐ情熱(莫大な投資)....血統と継承....この重責に携わる人々の覚悟や使命に、ため息が漏れるのでした。