おすすめ ★★★☆☆
【内容紹介】
世界のすべてを見通した少女がその身を投じる、生涯でたった一度、そして無限に繰り返される精神と身体の大冒険。鎖骨の窪みの水瓶を捨てにいく少女を描いた長編詩(「水瓶」)
奔放にして豊潤、尖鋭にして濃密に広がる想像力が織りなす九編の詩的宇宙。
【感想】
川上未映子さんは今年の本屋大賞ノミネート作品『夏物語』を読んで、力強い言葉の数々に圧倒された事を覚えています。「詩的宇宙」に興味を惹かれ、手に取ってみました。一篇の長編詩を読み、宇宙を調べてみた「時間、空間内に秩序を持って存在することや、もの。秩序を持つ完結した世界体系」。。混沌とした言葉の紡ぎ方で完結した世界を表現しているのか、、、一日一遍、読みました。螺旋階段を下へ下へと深く歩き、立ち止まると、入口に戻りたいのか、出口を見つけたいのか、そもそもどちらも一つしかなかったような...混迷しながら、言葉を手繰り寄せていく。しかし、四編目の「いざ最低の方へ」を読む頃、川上さんの言葉の生み出す狂気が感覚的にリズムのように、感触を持ち、言葉、言葉、言葉の羅列に「そのこと、そのもの」を感じていくのです。これが詩的宇宙なのかも!という事を感覚を知るだけで、説明は全くできない。九編目「水瓶」のすべてのすべてを抱える少女がすべてを捨てに渋谷に出かける長編詩。どう?と問われても、「わからないなぁ」としか言えません。想像をするのではなく、感覚的に読むのです。。