みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画、絵画鑑賞の感想を書いてます。

『暴虎の牙』 柚月 裕子

 

暴虎の牙 「孤狼の血」シリーズ (角川書店単行本)

暴虎の牙 「孤狼の血」シリーズ (角川書店単行本)

  • 作者:柚月裕子
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: Kindle版
 

 おすすめ ★★★☆☆
【内容紹介】

博徒たちの間に戦後の闇が残る昭和57年の広島呉原。愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦は、ヤクザも恐れぬ圧倒的な暴力とそのカリスマ性で勢力を拡大していた。広島北署二課暴力団係の刑事・大上章吾は、沖と呉原最大の暴力団・五十子会との抗争の匂いを嗅ぎ取り、沖を食い止めようと奔走する。時は移り平成16年、懲役刑を受けて出所した沖がふたたび広島で動き出した。だがすでに暴対法が施行されて久しく、シノギもままならなくなっていた。焦燥感に駆られるように沖が暴走を始めた矢先、かつて大上の薫陶を受けた呉原東署の刑事・日岡秀一が沖に接近する…。不滅の警察小説シリーズ、令和でついに完結!

【感想】

孤狼シリーズ完結。

第一弾の『孤狼の血』の大上刑事(ガミさん)が再登場。広島弁の言葉の凄みに圧倒され、堅気(←一般市民)を極道から守る熱き心に打たれつつ、愚連隊とヤクザの抗争をどう阻止していくのか?と期待をしていたのだが、、うーーーーーん。なんか違うなぁ。愚連隊の沖虎彦を中心に物語は広がるのだけど、ガミさんやガミさんを取り巻く素敵な?ヤクザたちの存在が薄い。。ほぼ登場しない。沖虎彦の不幸な生い立ちや危険な人物像や仲間たちの野望など、警察や極道より愚連隊中心なので、仁義も何もなく、暴走や暴力に萎える。ガミさんの悲しい過去にも触れるが、中途半端な感じで入り込めないまま、昭和時代が終わる。時は進み平成16年、ガミさんの遺志を継ぐ日高秀一が広島に戻ってきた。(←続編『凶犬の眼』面白い)。。日高くん登場は嬉しい。しかし前半のガミさん同様、日高くんの存在も薄い。そのうえ暴対法が施行され、警察もヤクザも動きが取れにくくなる。出所後、時代遅れの沖と、仲間たちの温度差が広がる(沖、暴力ばかりでやだぁ)。。違法捜査し放題の警察(ガミさんね)や、殺った殺られたのドンパチ騒ぎでハチャメチャな昭和の極道から暴力団排除の流れで暮らしにくくなる平成の極道。。物語も時代と共に熱から冷めていく。。現実社会に沿って描くと、小説的娯楽は味わえないのね。とてもリアリティ。。時代は変わったんだよ..確かに完結でした。