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【内容紹介】
小学生の百音(もね)と統理(とうり)はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有(ろう)が遊びにきて、三人でご飯を食べる。 百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。 三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、統理が管理をしている。 地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。
悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが...。
【感想】
主要人物たちはマンションの管理人で宮司の統理と百音親子。過去の失恋を引きずるゲイの路有。親から見合いを迫られる桃子。仕事で心が病んでしまった基(もとい)
世間の言葉や余計なお世話が当事者の心をチクチクと傷つける。生きにくさを抱える人たちの真っ直ぐな気持ちや言葉にうんうん、そうだよねと心を寄せたり、共感したり。
39歳の桃子がお気に入りのバックを母から年齢に見合わないと咎められたり、路有が失恋相手から屈託なくされる甘えに悔しさ全開で手を差し伸ばしてしまったり...。うんうん、あるあると思わず頷く笑。
ハッとしてしまったのは、統理と元妻の価値観の違い。自分たちの価値観で相手を傷つけあってしまう。小さな事だけど、心のズレが生じる。
「ぼくたちは同じだから仲良くしよう」より、「ぼくたちは違うけど認め合おう」
この事を忘れかけてる自分がいた。簡単なようで難しい。特に身近な人に対しては...。心にズキンと痛みが走り、少し頑なになっていた自分が解かれていくようだった。世界には色んな人がいて、様々な事情を抱えて、一人ひとりに忘れられないドラマがある。語り合う相手がいるだけで充分幸せなことだなぁと思う。苦い思い出もいつかキラキラと美しくなる。。「わたしの美しい庭」はそういうものかなぁ。。
庭の手入れをしている統理くんの側で冷たいアイスティーを飲み、百音ちゃんと路有くんとおしゃべりをしたい。美しい庭園に咲く四季折々の花たちを眺めていたい。心の中のモヤモヤを断ち切りたい。気づけば、縁切り神社の日常に惹かれている自分がいました。
凪良さんの言葉は心地良い。心軽やかになりました。