みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『できない相談』 森 絵都

 

できない相談 (単行本)

できない相談 (単行本)

  • 作者:森 絵都
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/12/10
  • メディア: 単行本
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

なんでそんなことにこだわるの?と言われても、 人にはさまざま、どうしても譲れないことがある。
夫の部屋には絶対に掃除機をかけない女性、
エスカレーターを使わないと決めて60年の男性……。
誰もがひとつは持っている、そんな日常の小さなこだわり・抵抗を描いた38の短篇。
スカッと爽快になったり、クスッと笑えたり、しみじみ共感したりする38のresistance。
人生って、こんなものから成り立っている。
そんな気分になる極上の小説集。

【感想】

日常での小さな抵抗。。たくさんしてると思う。。されてるとも思う。。ふとした疑問に目を向けると数々の矛盾と付き合いながら生きていることに気づく。矛盾点を書き出したらキリがないくらい。いつも頭の中で大きなクエスチョンマークが浮かぶ。。でも小さい事柄過ぎて誰にも言えず😌💭

小さな抵抗、小さなこだわりを様々な立場の視点から描かれたショートショート。思わずうなずきたくなる面白さ。友達とあるある話で盛り上がると思う。

 

共感した話。

「書かされる立場」登場人物の立場になって読書感想文を書かされる生徒たちの話。(選択不可能な教材からの道徳的読書の押し付けと課題付き感想文の強要。学生の頃のあるある。ほんとやだね笑)

「さっさと忘れるしかないような一件」お礼やお祝い程度の食事のお誘いのつもりが男性から大きなを勘違いをされる女性の話。(勝手に誤解されて、勝手にふられる。。わかる。これ、困る事例。さらに噂されたら大変。誘わないのが一番)

「最後の旅行」ドタバタ家族旅行。普段の疲れを癒す温泉旅行のはずが、せっかちな父、お土産を買いまくる母、インスタ映えに必死な娘の小さな諍い話。(これは、ただ単に笑った。ありえそう笑。平和な家族の象徴です)

 

反省した話。

「ヒデちゃんの当たり棒」アイスの当たり、小銭を拾う、福引の当選など、小さな幸運で「こんなんで運を使った」やや大きめな幸運で「今年分の運を使い切った」と嘆く友・ヒデちゃんの話。(これはわたしも同じ考えでおみくじを引かない理由でもある。大きな幸運は不運の始まり?なんて後ろ向きな考えを捨てられるようにしたい)

「羊たちの憂鬱」友人の後ろ向きな口癖が気になるが友情の亀裂に遠慮し、指摘してこなかった話。(友人の「わたしなんか」は他者に「そんなことないよ」の言葉を求める横暴な命令。。あぁ心刺さる。。「わたしなんか」...言っちゃうわ。深く反省。酷い言葉だと痛感した)

 

わたしの小さな抵抗は何かな?と考える。

☆椅子の背もたれを頑なに使わない。

☆サングラスをかけ、音のないイヤホンを付けてショップに行き、店員の営業から身を守る。

☆裏返しになってる家族の洗濯物を一切直さず、裏返しのまま洗い、干し、畳む。

...まだまだありそう。。書いてるうちに、自分はなんて小さい人間なんだと...この辺にしておきましょう。

譲れないこだわりや習慣、悪い癖に懸命に努力したり、何かを犠牲にしてたり、敗北を味わったりと、、他人からしてみたらとても滑稽な姿であるが、それがその人の生きる道なんだと寛大な気持ちになれそう。。自分を省みて、大きな心で受け止めて欲しい気持ちも多々ある笑。