みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『その白さえ嘘だとしても』 河野 裕

 

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない―。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

【感想】

「階段島シリーズ」第2弾。

捨てられた人たちの島・階段島。島を支配する魔女は姿を見せず未だ謎。。ここで暮らす人々はみな欠点を抱えてる。現実の世界の自分から捨てられた者たちが集まる島。決して捨てられない欠点を抱えながら成長を奪われた人々。。前作(『いなくなれ、群青』)から少し時が過ぎた今作はクリスマスイブにまつわる七不思議の謎解きミステリー。ネガティブ思考の主人公・七草、しっかり者の委員長・水谷、ヒーローになりたいゲーマー・佐々岡、ミステリアスな郵便局員・時任の視点から物語が語られる。水谷と佐々岡の過去の自分が明らかにされ、本音や迷いに悩み、自分や他人に苛立つ。。混じり気のない優等生やヒーローになりたい気持ちが10代らしい。。「純白を目指す混色。どこまでも貪欲に白を加えれば、いつかは純白になれるのではないか。」現実は傷つきながら、成長していくはずなんだけど。。この島ではそれができないの?
前作で苦手だった真辺がちょっとずつ変化してる。。苦手意識薄まる。。成長は奪われても人との関わりで変化はできるのね。。変化は成長?謎多し。

意外な人が魔女?と終盤で明らかに。。ほんとかな?。。まだまだ謎多き島の人々。。次も気になる。。