おすすめ ★★★☆☆
【内容紹介】
29歳のイラストレーター神名葵は関係の冷めた恋人・彰人と同棲をしながらも、身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねていた。仕事は順調だが、ほんとうに描きたかったことを見失っているところに、大学の先輩だったハセオから電話がかかる。七年ぶりの彼との再会で、停滞していた神名の生活に変化が訪れる―。
【感想】
途中で断念した本。。登場人物たちになかなか感情移入できず、読み進められなかった。
神名は同棲中の恋人あり、体の繋がりだけの愛人あり、仕事も順調。大学時代の先輩ハセオと再会をし、心地よい男ともだちに甘える。。不倫、二股、誰とでも、という神名とハセオだが、お互いのことは異性と意識なく付き合える関係性。。神名の環境が一転するのが、仕事の迷いと恋人との別れ。。「うまくやれてた」と思い込んでいた神名の心は不安と不穏。。そんな神名を強引に力強く支えるハセオの存在が大きな魅力を放つ瞬間だった。。容赦ない態度と言葉だけど、神名への信念を感じる。
ハセオの言葉でわたしまで、心を持っていかれた。
「ええんちゃう。お前がそう感じるんなら、誰に否定されたってそれが真実や」
「男ともだち」とは、どんな存在なんだろ?と疑問を少し解決してくれたのが、神名の女友達の言葉。
「旦那や彼氏や愛人ではダメな時ってある。ただ話を聞いて優しくしてもらいたい時があるよね。でも、女友達じゃなくて、そこはやっぱり男友達じゃなきゃ埋められない。弱っているときは心の女の部分を慰めてもらいたい」(こういうことを話せる女友達もいいね)
最初に読み進められなかったのは、綺麗事ばかりの世界に違和感があり、ハセオという男性が野生的な香りを漂わせていることで、「男ともだち」のイメージに合わず、拒絶を感じてた。。言葉一つ一つから本音(狡さや弱さ)が見え、自分の中にもあるんだろうなぁと、途中から思い始め、、読めるようになりました。