みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『麒麟の舌を持つ男』 田中 経一

 

麒麟の舌を持つ男

麒麟の舌を持つ男

 

 

おすすめ ★★★☆☆

 

【内容紹介】

死を目前にした人にかつて食べた最上の味を完璧に再現する“最期の料理請負人”が挑む、極上のミステリー。「満漢全席」に拮抗する「大日本帝国食菜全席」とは一体何なのか!?70年の時を超えた感動のラストを食べ尽くした瞬間、謎に包まれた幻のレシピが甦る。世界を魅了したTV番組「料理の鉄人」伝説のディレクターが料理と料理人への愛情で描き切った驚嘆のデビュー作!

 

 【感想】

絶対音感のような味覚「麒麟の舌」を持つ天才料理人・佐々木充は死を目前とした人の思い出の料理を完璧に再現する「最期の料理請負人」という仕事を生業とする。中国料理界の重鎮である楊晴明という老人から失われたレシピ「大日本帝国食菜全席」を探す依頼を受ける。

1930年代の満州天皇の料理番に任命された料理人・山形直太朗と楊晴明が軍から清朝の宮廷料理「満漢全席」を超えるレシピを作り出すことと命令される。

山形直太朗の幻のレシピに行き着いた佐々木は満州の歴史の真実を知る。。

 

「最期の料理請負人」の華麗なる料理が披露されるお話だと思ったら、レシピ本を巡る壮大なミステリーでした。意外に順調に話は進み、あっさりとしたお話。。多分、わたしが文章で脳内味覚がどれほど刺激されるのかを期待しすぎてしまったからかも。。

この本は、現在『ラストレシピ』と改題されたようです。

著者はテレビ番組「料理の鉄人」「ハンマープライス」「クイズミリオネア」などを手がける演出家さん。

昨年、映画公開されましたね。。実は数年前から本棚にしまわれて、、開かれないまま、ひっそりとしていた本。お恥ずかしい。読んでる最中に知りました。。まさか『ラストレシピ』の原作だったとは。。それが一番の驚きでした。