みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『鹿の王』  上橋 菜穂子

 

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐

 
鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

 

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内容

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるが―!?厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまる―。
 
図書館では1000人超え待ちのようで大人気な本です(2015.5現在)
医療ミステリーと聞いて、少し敬遠して読み始めが遅くなったことを後悔。面白い。素人のわたしでもわかりやすく、病気や薬、身体の仕組みが書かれていて、優しい医学本のようでした。医学、民族の対立、父娘の行方など人間模様も加わり、読み応えがあります。医師のホッサルのまっすぐな探求心、挑戦が素敵です。かっこいい。
 
作者曰く、50を超え不調になってきた自分の身体を考えていたら、この物語が出来たそうです。すごい発想力と想像力の持ち主!!(作家に言うのもなんですが)こんな壮大なストーリーに発展するなら多少身体がしんどくなってもいいんじゃないかと凡人な私は思ってしまうほどうらやましい才能。。。
身体の中というのは世界があって小さな兵士たちが敵か味方かを判断しながら国を守っている。。生かされている。。これからは身体の中の兵士達に感謝していきます。