みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『お探し物は図書室まで』 青山 美智子

 

お探し物は図書室まで

お探し物は図書室まで

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

【感想】

今年も本屋大賞ノミネート作品を読んで、勝手に審査しちゃいます。第1作目はハートウォーミングで、ほわほわっと温まる作品でした。

 

人生に悩みを抱える5人がふとしたきっかけで訪れる地域のコミュニティハウス。その中にある図書室で司書・小町さゆりさんが探したい本を選書してくれます。思いもよらぬおすすめ本が人生を導いてくれるのです。しかも、小町さんお手製のかわいい羊毛フェルトが付録でついてくる。まず、ここでほっこり(*´꒳`*)

仕事、育児、人生に行き詰まる20代から60代の男女。。思い描いていた夢、自分の居場所、人生の方向性にモヤモヤとしながらも現状を生きる人々。。自分の状況に重ね合わせて読む人が多いのではないでしょうか?わたしの場合は、第三章の「夏美 四十歳 元雑誌編集者」の夏美に寄り添って読みました。仕事も育児もうまくできると思っていたが、子を生む事でやりがいある仕事を奪われ、夫や子供に不満を抱き出す。現実を突きつけられると無力な自分に落ち込むことってありますね。育児をしながらやりたい仕事を見つけようと頑張る夏美を応援したい。。
小町さんの選書を読み手がどう読み取るか...読み方により、心が動く。そして人生が動き出す。専門書ではなく図鑑や絵本、詩集などから自分自身に紐づけて、何かを得る。
本屋さんや図書室で一冊の本を手に取ることはその一冊に思いを込めた人々と関わり、繋がり、社会が作られていく。。そう考えるとすごいことだ。。薄暗い心に光が灯されていく人たちの笑顔から、温かい気持ちが伝わる素敵な物語でした。
色白でとっても大きい小町さん...訪れた人たちは彼女を何かのキャラで例えるのです。。次はどんなキャラだろ?と密かに楽しんでました(*^▽^*)ワクワク。色々な楽しみ方があって、この本は良かった〜Σd(≧∀≦*)