みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『結婚させる家』 桂 望実

 

結婚させる家

結婚させる家

  • 作者:桂 望実
  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

40歳以上限定の結婚情報サービス会社「ブルーパール」で働く桐生恭子は、婚活界のレジェンドと崇められている。担当する会員のカップリング率一位のカリスマ相談員なのだ。恭子の発案で、大邸宅「M屋敷」に交際中の会員を泊まらせ、一緒に暮らしてみるという「プレ夫婦生活」プランがスタートした。中高年の彼らは、深刻な過去、家族の存在、健康不安と、様々な問題を抱えているが…。人生のパートナーを求める50代男女の滋味あふれる婚活物語。

【感想】

桐生恭子は50代の女性にカップリング成功をする秘訣を提示していく。女性のプロフィールの修正(偽りではなくあくまでも修正です)、会話の「さしすせそ」。。さすがですね。知りませんでした。凄いですね。センスがいい。そうなんですか...という相槌...会話の五十音を考えてみたくなりました。「ありがとう。いいと思います。うれしい。えー?...からの驚きですね」素直に肯定する事が大事なのではないかと...。男の子3人と暮らし学んだ肯定術...笑。

話は物語に戻して...
独身の恭子は相談員の立場を考慮して、既婚者を偽る。孤独には慣れている...しかし時折、ふと涙が出る。恭子にはこの涙の意味がわからない。。プレ夫婦生活プランを通して、相談者と深く関わり、気持ちに寄り添い、ただ闇雲にカップル成立を達成させるだけではいけないと気づく。
50年、歳を重ねた男女には歩んだ人生があり、波乱万丈もあり、平凡な毎日と思う人もあり、生活に追われ奮闘している人もあり...同じ幸せの形で収まるのではなく、人生の足跡により幸せの形はそれぞれが違う。50代ともなると、親の介護や、成人した子供たちの事情、本人の気持ち次第だけで事が運ぶわけではない。。自分の人生をどう豊かに歩みたいか..歩める可能性を秘めているのもこの年代からなのではないかと...わたしはあともう少し歳を重ねた後の人生に夢を見ているのです。。
「人を幸せにする仕事」ではなく「人の幸せを願う仕事」....業種問わず全ての仕事をしてる人たちに共通してますね。人間性は大事。外見がどんなに良くても、この人と過ごしていきたいと思う人間性がなければ、人は離れて行く。そう思ってもらえる魅力のある人になりたい。