みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『滅びの前のシャングリラ』 凪良 ゆう

 

滅びの前のシャングリラ

滅びの前のシャングリラ

  • 作者:凪良ゆう
  • 発売日: 2020/11/09
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして...。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか――。

【感想】

全人類余命一ヶ月。一年でもなく、明日でもなく一ヶ月後に地球が滅亡する。一ヶ月後ってハラハラしそう。。先のない未来に絶望、不安、混乱に陥り、追い詰められた人たちは暴徒化し、無法地帯となりライフラインの崩壊、食糧難、凶悪犯罪、自殺が巻き起こる。一変する世界はとても恐ろしい。。今年は似たような事が世界で巻き起こってる。自然...病...人が一番怖い。

「死」を目前にして、絶望する者ばかりではありません。「死んだら楽なのに...」と人生に生きづらさを感じていた主要人物たちは後悔していた事と向き合っていきます。生きる意味とは?幸せとは?弱かった自分が大切な人を思う気持ちで強くなっていく。以前の自分より今の自分を好きになっていく。小惑星衝突をきっかけに繋がり..結びつきが強くなっていく人たち。でも隕石は止められない。人間って無力で儚い。なんて切ないんだろう。

初回限定版に付いていたスピンオフ『イスパハン』...信士がずっと見ていたい友樹と雪絵(友樹の好きな女の子)の公園シーンが綴られていた。。これも読めて良かったぁ。

 

残り一ヶ月。わたしだったら...友樹の母(←かっこいい‼︎)のように家族にご飯を食べさせたい...あったかい布団で眠りたい。欲を言えば...たまにお風呂に入りたい。